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2002年11月24日(日) 野中を受難者に仕立てる朝日の手口

昨日(23日)の朝日新聞朝刊の政治総合面に、自民党の野中広務が拉致事件報道を
批判した事が掲載されていた。同じ記事が、更にWeb版にはより詳しく出ている。

>標的つくる怖さを遺言に 野中氏、拉致事件報道を批判

> 自民党の野中広務元幹事長は22日の講演で、朝鮮民主主義人民共和国
>(北朝鮮)による拉致事件をめぐり、一部報道が議員外交を進めてきた野中氏
>を批判したことに触れ、「だれか一人をターゲットにしつつある。身の危険も含
>めて感じている」と語った。

> 野中氏は講演で、拉致被害者の家族がテレビ番組などで「野中はひどいやつだ」
>「会ってもくれなかった」と非難していたことを紹介。「面会を求められたこともないし、
>冷たい言葉をかけたこともない」と反論した。

>そのうえで野中氏は「私が命を絶たれ た時には、
>メディアとしての責任を明らかにしてもらいたい。標的をつくる昨今の怖さ
>を、ゆうべ遺言に書き加えた」とも語った。
http://www.asahi.com/politics/update/1123/005.html


念のために付言すれば、私の見た朝日本紙(東京本社12版)の記事では
「野中はひどいやつだ」 の文句が欠けており、さらに「そのうえで野中氏は…」
以下の文章も載っていない。これらはWeb版でのみ確認できるものである。

それはともかくこの記事だが、一応、野中にも反論権はある事だから、
彼の発言自体はここでは問わない。むしろ問題なのは、朝日の扱い方である。
つまり、野中の言い分だけを一方的に垂れ流し、「一部報道」の中で
拉致被害者の家族側が実際に野中を如何に非難したのかを全く触れていないのだ。

「一部報道」.とは件の野中の講演の前日、民放(テレビ朝日だ)の朝のワイドショー
番組に出演した地村さん父が、野中ら複数の政治家を名指し非難した事を
指していると思われる。
しかし、平日の午前中の時間帯の番組なぞ、大半の読者には見られるわけもなく、
従って知る由もない事である。
にもかかわらずその内容に全く言及せず、そして無論、家族が非難するような野中の
言動が事実あったのか否かの確認もせず、野中の言い分だけを報じる・・・
この記事だけ読めば、いかにも野中がいわれなき不当な非難を浴びせられて、
身の危険に晒されている「被害者」のようではないか。実に意図的である。

事実はどうなのか、
野中が拉致被害者の家族に対して何を言ったか…
例えば次のようなものである。

>野中広務氏について 

>平成12年(2000)3月、10万トンのコメ支援が決定された。
>家族と我々は、外務省前と自民党本部前で抗議の座り込みを行った。
> 野中氏は、自民党本部裏口から逃げ出した上、「日本国内で一生懸命吠えても
>横田めぐみさんは返ってこない」(3月29日島根県での講演)と、
>家族の涙の訴えを動物と同じ「吠える」という表現を使って貶めた。
>このような人物は、国会議員としての適性を欠くものと考える。
(救う会全国協議会」 佐藤勝巳)
http://www.asahi-net.or.jp/~lj7k-ark/20000604.html


見られるように、「日本国内で一生懸命吠えても横田めぐみさんは返ってこない」
なる野中の発言は、「(平成12年)3月29日島根県での講演」という、
公けの場での発言であるとされている。従って別に、確認できないようなものではあるまい。
これについて朝日は当時報道した事実は無論ないだろうし、そして今回も全く触れない。
しかし野中の「受難」だけはわざわざ記事にする。
つまり、朝鮮総連やら在日への嫌がらせは報じるくせに、
総連の犯罪的行為に関しては全く記事にしないのと同じ手口である。
被害者を逆に加害者、そして加害者を被害者に仕立て上げる悪質な姿勢は
北朝鮮、在日、そして北のシンパ政治家擁護に至るまで手厚く、一貫しているわけである。

ちなみに、同じ朝日の23日朝刊の第3社会面には、
「北朝鮮報道を批判/在日作家ら集会/『多様な見方提示を』」
なる記事も掲載されている。
辛淑玉やら金石範やらの在日韓国・朝鮮人、そのシンパのジャーナリストらが
「在日社会への嫌がらせや北朝鮮をめぐる報道について考える集会を開いた」
事を報じたものだ。
北朝鮮非難の報道はしないくせに、「北朝鮮非難の報道」を非難する集会は
取り上げるダブスタで、世論操作せんとする朝日の姿勢がよく現れている。
この集会の参加者(日本人ジャーナリスト)の発言として
「メディア規制法がなくても国家の統制は簡単にできるんだと思った」とあるが、
この言葉は、むしろ朝日にこそ捧げてもらいたいものだ。


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