| 秘密主義と火の用心 | 2004年12月19日(日) |
昔住んでいたアパートで、深夜にわかに外が騒がしくなり、なにごとかと台所へ行ってみますと、磨りガラスの向こうに赤い回転灯の明滅が見えました。恐る恐るドアを少しだけ開いてみますと、目の前に銀色の消防服が立ちふさがっておりました。音に気付いて振り返った消防士と目が合いましたので、思わず「何があったんですか?」と訊ねてみましたところ、消防士は「何もありませんので」と言い、わたくしが開いたドアを押し戻したのです。 「何もありませんので」とおっしゃいますが、それなら何故あなたは消防士の姿でそこに立っていらっしゃるのでしょう? 磨りガラス越しに見える回転灯はなんですか? ちらっと見えた水浸しの地面に這うホースのようなものは? きな臭いようなこの匂いは? と言いますか、この煙は? すぐそこで「○○さん! ○○さん! 大丈夫ですか? 出てきてください! ○○さん!」と怒鳴っている声は? 様々な疑問が浮かび、不安におののき、「何もありませので」じゃねーよ!などと思いつつ、しばらく様子をうかがっておりましたところ、小一時間ほどで外の騒ぎも治まったようでした。 その後、聞いたところによりますと、わたくしのアパートの玄関側から2メートルしか離れていない隣のアパートの2階の住人が、煙草の不始末で座布団を燃やし、慌ててそれを窓の外(わたくしの部屋の玄関前)に投げ捨てたことが騒ぎの原因だったとのことでした。もろもろ、ふざけんな、でございます。 火の用心。 |
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