朝の連続ドラマ 2004年11月02日(火)

朝ドラ子さんは、いつも元気で明るくて、周囲を勇気づけてくれます。時々やりすぎて、おっちょこちょいとか、がさつとか、色気がないとか、無神経などと言われ、基本的にはサザエさんのようなキャラクターです。
そんな朝ドラ子さんは、一見根性だけが取り柄みたいな印象ですが、本当は未開花の隠れた才能や能力を持っている上に、大抵は美人です。しかし、朝ドラ子さんは、あくまで標準的な女性らしいので、周囲はあまり容貌について触れることがありません。
そんな朝ドラ子さんには大きなものから小さなものまで、はっきりとした夢があり、それを叶えるために奮闘するさだめにあります。
そのために、田舎から都会に出てきて、人の良い夫婦や、感じの悪い職場の同僚や、朝ドラ子さんとは生き方も考え方も違う女友達などに囲まれて、苦労のようなものをします。
明るく振る舞いながらも、周囲に心配をかけまいと気を配り、陰でこっそりホームシックになることもありますが、そんな時は故郷に残してきた恋人が慰めてくれます。しかし、彼は朝ドラ子さんが都会に旅立つどさくさに突然プロポーズしてきて、おつきあいもないまま何故か結婚の約束を曖昧に交わしたり、勝手に朝ドラ子さんと結婚すると決めているなんら実体のない恋人です。
そのせいか、故郷の男に安らぎを感じたのも束の間、朝ドラ子さんは、都会で出会った、最初は印象サ・イ・ア・ク!な感じの男と、喧嘩をしたり、傷つけあったりしなかったりしながら、いつの間にか本物の恋とやらをして、故郷で待たせていた男を、「ごめんね」と泣きじゃくりながらとっとと振ってしまいます。
ドラマ上は、故郷の幼い恋の当て馬君が「君の幸せを思って」「身を引く」けれど「これからも君の一番の理解者だからな」という感じで泣き笑いしつつ丸く収めてくれ、その後彼は別の女性、大抵は朝ドラ子さんの故郷の友人と結婚して子どもをもうけ、絵に描いたような幸せを掴みます。
一方、朝ドラ子さんは、山があったような谷があったような時の流れの中で、大切な誰かが死んだり、無理がたたって倒れたり、仕事が駄目になりかけて結婚に逃げかけたり、「もう駄目!」などと泣き叫んで、ゆくゆくは結婚する、印象サイアク男に平手打ちをされて、その後抱き合ったりして、盛り上がります。
そして最初は朝ドラ子さんを見下したり、嫌ったりしていた人々も、「朝ドラ子さんのおかげ」などと涙ぐむようになる頃には、朝ドラ子さんは夢をしっかりと掴んでいるのでした。
そんな朝ドラ子さんのもっとも特徴的なところは、ひとりごとが多いということです。


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