こんな小春日和の穏やかな日は 2004年10月18日(月)

会社の景気が良かった頃勤めていた私の仕事の前任者が十年振りにやってきた。私は初めて会う人だったが、上司たちは懐かしそうである。元社長など、不祥事で更迭されて役無しになっているのに、何も知らない前任者から「社長」と呼ばれて嬉しそうに「いやあ、僕も歳を取ったから、後任に譲ってね」などとぬけぬけと言い、「じゃあ、会長というわけですか」などと言われて気持ちよさそうに笑ったり、上司などは「あの人は、気だても良いし、頭も切れて、とにかくよく働いてくれる人で、いつも何かしらやっていたっけ」などと、ぼんやりネットをしている私に言い、それを聞きながら、前任者が退社後十年の会社の春秋に思いをはせると、なにやらもやもやしてきて、もしかしたら家を出た小姑が遊びに来て、義父母とちやほやしあっているのを醒めた目で見つめる嫁の気持ちって、こういうのだろうか、などと思うのだった。

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