- 2004年10月21日(木) 救助
長い夜だった。 各所からの浸水に、撤退を重ねる。 追い詰められて、最後に選んだ部屋が最後の砦になった。
強烈な風切音と激しい動揺。 平坦なら腰までの深さの水面も、傾けば天井近くまで上昇する。 空気はよどみ、重油の臭いが充満。 真っ暗闇の中、肩を寄せ合って時を待った。
空が明るくなってヘリコプターが飛ぶようになって。 それでも、波はやまない。
事故から半日以上経って、ようやく救助活動が本格化した。
見るも無残なデッキの上から、防波堤外側のテトラポッドに渡る。 日本海用のテトラポッドで、見たこともないような大きさをしていた。 防波堤に立ったところで、安堵の溜息。 振り返って、無残な姿をもう一度焼き付けた。
それから先は、救急車で診療所。 お風呂に食事、そして宿泊施設へと流れていって。 いつの間にか、眠りに落ちた。
とにかく、生還できてよかった。 一人だけじゃなくて、全員で。
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