日常些細事
DiaryINDEX|past|will
仕事の行き帰りで通る家に黒猫がいる。 この黒猫、いつ見ても玄関前で手足を投げ出し、 のたあ〜 と寝ているのだ。 朝出かけるときも のたあ〜 夜帰ってきても のたあ〜 おまえは『のたあ〜』以外の姿勢がとれんのかっ、と説教したくなるほどである。 そもそも黒猫というのは物陰からぱっと目の前を横切り、 「ああ黒猫がっ。なんて不吉な」 と人間を恐怖のどん底に叩き落すのが仕事ではないか。 それが日がな一日、 のたあ〜 とはなにごとであろうか。 ご先祖様に申し訳ないと思わないのであろうか。 今日もその家の前を通ってきたのだが、やっぱり のたあ〜 であった。 あいだに低い柵があるとはいえ、私との距離は2メートルも無い。 石を投げれば確実に当たるであろう。 漬物石なら死に至る。 そのような危険な場所でも悠然と寝られるとは、ある意味大物かもしれんなこの猫は。
|