絵画制作日誌    Diary INDEXBACKNEXTHOME GALLERY


石膏磨きとトレース(めちゃくちゃ手間暇かかるよ!)         2005年06月02日(木)

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先月は深夜まで仕事や調べ物をしていることが多く、寝不足でボロボロ。
メシを食う暇もなく、というか気力がなくて、食生活もボロボロ。
当然、精神的にも、椅子に座るひとつとっても投げやり。

忙しいときこそ走る逃避行動、ネットで読みまくり書きまくりの
活字中毒ぶりも猛発揮。絵画制作以外の出来事メモもとりたくなって、
ついに新しくblogを立ち上げてしまう。いや、blog便利だわ。>>

そのくせ、人前にでるとめちゃくちゃ元気で快活なわたくしであります。

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フラアンジェリコ 受胎告知の聖ガブリエル トレース中。裏面。

さて、先月制作分のまとめ記録。
先月はほとんど絵を描いてません。つーか描いた気になれなかった。

まず、例のフラアンジェリコの模写を。◆手順

  1. シナベニヤ(共芯)を買う。そこら辺のホームセンターにはない。
    電車で2時間近くかけて渋谷の東急ハンズにて。
    カット依頼。カット待ち時間は1〜2時間。
  2. ホルベインの膠を10g、120ccの水(1:12)に芳潤・湯煎。
    比率が薄めなのは、国内産膠は固めだからだそうです。
    マツダのボローニャ石膏を振り入れ、
    気泡ができないように混ぜ、
    固めの筆で縦横斜めにベニヤに塗布。
    最初は目を指や手のひら等でつぶし、
    濡れ色がとれたら再度塗布。繰り返し計15回。一日作業。
    ここまでは目黒区美術館のワークショップにて。
  3. 凹凸具合を分かりやすくするため、まず木炭の粉を塗る。
    ここからが大変だった。鉄板で磨きだし。
    一日4時間近くやって、終わらず、
    翌日4時間近くやって、終わらず、
    翌々日も4時間近くやって、終わらず、
    そのまた翌日、最後の少しをやっとの思いで削り終わる。
  4. そして、原版をトレース。トレース用紙は名前忘れたけど、
    透明度が高く、堅いヤツ。まず4H程度の鉛筆でなぞり、
    裏返して4B程度でカーボン状態にするためになぞる。
  5. 未だここまでしかやってないけれど、
    その後、真っ白になった石膏地に、トレース用紙の上から、
    鉄筆(コンパスや釘、ニードル等)でなぞる。
    4B鉛筆部分も転写するけれど、石膏に溝を掘る感じ。
    この溝は金箔を貼ると見えなくなる鉛筆線を知る手がかり。

これだけで2週間近く。ここまでしかやっていない。
これはちょっと欲求不満になりそう。
やっぱ絵の具使ってこそ絵描いてるって感じがするよ。

でも、この天使の服の模様が細かくて唐草模様で綺麗でさ。
これを模するのは、ひとえに愛あってこそ。
愛=祈りの力なんだわさ、と
一人で耐えつつ秘かに盛り上がる。

by HPY


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