エミール・ノルデと印刷物。リハビリ。 2004年11月09日(火)
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前も個展後一番最初に描いた絵は、こんな感じの抽象的文様だったような気がする。
個展に引越をぶつけたツケと、雑用やら仕事やらぐちゃぐちゃと義務が多くて、
1ヶ月近く、まともに描いてません。要するに気持ちの落ち着く時がない。
…ち、ちょっと休みたい…。今週を乗り切れば…かな。
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先週金曜に行った、エミール・ノルデ展は良かった。
無理して行った甲斐がある。
目黒美術館。目黒は相変わらず懐かしい。
画集は本物見た後だと特に、色合いのあまりの落差に
がっかりして買わないのが常。
今回のカタログは正方形に近い作りで洒落ている。
中身をよく吟味してから購入。
そういえば、個展の時に見に来て下さった方が口々に、
『このDMハガキの写真と実物の絵では大分印象が違う』と言っていた。
そりゃぁ1.3mもある絵とハガキサイズでは大きさも違うし、
印刷物と色が異なるのは当然じゃん、と微笑。それからふと、
わたしは自分でデザインしたくせに
写真の色の再現に対しては、全くこだわりがなかったことに気付く。
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ノルデの水彩・色彩は素晴らしい。
もちろん印刷物ではその色は出ていない。
でも今回わたしは画集を買った。
そのことについて考える。
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絵を描く意味っていろいろあると思うけれど、
色と、形と線、要素を大きく2つに分けて考える。
形は、面白い形とか、何が描いてあるか説明する言語でもあるよね。
言語だから、立体感とか質感とか空間とかは
他人にも分かることが必要じゃないかと。
線は、ひゅ〜〜っと一本引くだけで面白いもの。
勢いとか、意味づけとかを内包し、
たぶん自由曲線はコンピュータではなかなか作れない。
色は…?
何百万色と再現できるはずなのに、複製の絵画と肉筆画は全然違う。
形は伝えること、線は強弱による意志、
それらは版画や写真、印刷物を介して複製され広まっていく。
でも、物質を伴う色だけは複製しきれない。全く異質な別物。
逆に、先に画集の写真の色に見慣れて
後から本物の絵を見てがっかりしたりすることもよくあること。
わたしは今まで、形が鋭く出れば色は何でもいいと思っていたきらいがある。
でも、一枚絵を描く、という意義は、(CGではなくて)
複製不可能な物質感を伴った色にこそ、あるんじゃないかと、
そんなことを考えながら帰路につく。
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今日ようやく、引越&片づけが終わって一段落する。
明日からまた仕事が入るけれど、
徐々に制作モードの生活に持っていけるようにしよう。
ブランク空くと一番困ることは、
絵を描く習慣がなくなってること。
描く前にかなり構えてしまう。
当面は水彩とか、手軽にできるものから始めようか。
うん、頑張ろう。リハビリだ。
by HPY
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