ひどい、結論からいってひどすぎる。 これはもう、3DCGがショボイとか、作画が安っぽいとか、ミスキャストじゃないかとか、オリジナルキャラがどうこうとかいうレベルの問題ではない。これは枝葉末節な事象ではなく、エリア88という作品世界の骨格にかかわる重要な問題である。 駄目だ、駄目すぎる、何もわかっていない。 88の魂ともいえる部分を全くといっていいほど、理解していない。 これまで、制作会社がアレだからとか、深夜アニメで予算が低いからとか、話数が限られているからとか、連載時と時代は変わったから、とか許容すべき部分は許容してきたつもりだが、これだけは大陸作画や予算など、諸々の諸事情を差しぬいても言える。 風間真のことをまるで理解していない。 88に生きて帰れて喜んでいるシンって・・・ この話は、シンがエリア88に「戻ってきてしまう」話ですよ? これまで生への激しい執念で、人殺して生き延びてきたシンが、生きることを放棄し、死を受け入れたその時に、自分が88滑走路に辿り着いていたことに、気がつくお話ですよ? これでやっと、エリア88から逃れられるというその時に、自分は砂漠の中を彷徨しているうちに88基地に戻ってきてしまっていた、また、明日から生き残るために人を殺す日々が始まる・・・生き残るために人を殺す日々が。うな垂れて地獄の滑走路を独り歩いて生還するシン。 その日悪魔は"生きろ!"といった・・・ そういう話なんですよ。 風間真という男はそういう男なんですよ。 自力で88に辿り着かせなくてどうするんだ。 これじゃ、野垂れ死になりそうになったところを新庄に助けてもらって、俺ってラッキーvvになっちゃうだろ? エリア88に戻れて喜んでいるシンなんて・・・そんなの、そんなのシンじゃない。 なんでシンが88で苦しんでいると思っているんだよ! ああ、作品のコアな部分がここまで否定されようとは。 子細な部分だったらいい。新しいエピソードを加えるのもいい。オリジナル話もいい。 でも、基本となる世界認識・人物造形にズレがあるのは、見ていて辛すぎる。 もう駄目だ。もうここの文書書くのも・・・終わりにしてしまいたい・・・ 頭上をかるめる排気音・・・ 青く輝く誘導灯・・・ 地獄を照らす着陸灯・・・ その日、悪魔は "生きろ!"といった・・・ まだ私に書けというのか!悪魔ーッ!
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