ケイスケの日記
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つよこーちゃんに子どもができたらという、 脳みそ腐ったパラレルです。 …ええええ。久しぶりにこういうのを書いてみた。 二次元的でとてもよろしいかと思います。(投げやり)
たぶん続きません。 続きが読みたい奇特な方は、 それとなくケイスケにアピールしましょう。 -------------------------
「もうちょっとさ、ましな味に出来なかったん?」
毎日朝と晩に服用するようにといわれているクスリをあおりながら、光一はつぶやいた。 お猪口いっぱい程度の薄ピンク色の液体ーーーー妊娠状態を維持する薬剤だった。苦いともくさいとも表現しにくいえぐさをごまかすためにつけられた甘みが喉の奥に引っかかる。
「がまんするけどな」 鏡に向かってつぶやく。この薄っぺらい腹の中に収まっているというひとつの命。そっと手を触れると、いとおしい気持ちがわいた。 男同士の子どもば男の子しか生まれないという。 「剛に似た男前に生まれてきたらええな」 **
「こーちゃん、飯出来たでーー」
父親になると決めた日から剛はこれまで以上にかいがいしかった。これまでも確かにマメで甘やかし上手だったが、それに拍車をかける。一つのものをとるのにも楽しげに立ち上がり、光一をまるで繊細な細工品のように大切にした。 くすぐったかったけれど、それも今だけかと光一はそれを甘んじて受ける。 「ごはんなにー。ん?」 「トーストと、シーフードのサラダと、ミネストローネとフルーツヨーグルト」 「お。うまそー」 野菜や果物は有機農法で作られたものをインターネットで注文している。ミネストローネも元から剛が手間隙かけて作ったものだ。 ダイニングではなく、リビングのソファに食事を運んで、最後の仕上げとメゾンカイザーのトーストが出来上がる。 こんがりと温まったトーストを手にした剛は、ソファに座る光一のまだ薄い腹の、シャツ越しに耳を寄せる。 「おーい元気かー。はよ会いたいなー、光一似のかわいい子に生まれてくるんやで」 「ええー俺剛似の子がええんやけど!」 「なんでやねん。お前似のがかわええやん」 「や、剛似ぃのがええって」 「なんでぇ」 「かわいいし、男前に育ったらええねん、男の子やもん」 「ん? こーちゃんは俺んこと男前やと思ってんねや」 「……!」 カッと光一の頬から耳まで朱に染まる。 「熱烈な告白ありがとー」 うれしいわ、と頬にキスをした剛を、 「あほか!」 飯食うわ、と挙動不審にあわてながら言う光一に、そうやねと剛は笑う。手に持っているトーストもさめてしまう。これね、と皿の上にトーストを乗せ、「ほんまはどっちでもええよ。光一と俺の子ぉやもん」とおなかの子に向けて声をかけた。
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