なんで自分が泣くのかわからないけれども、 泣いてしまうものがある。
例えば、絵画で言うとシャガールの「ポエム」なんかは 絵を見ながら訳詞を読んでいると涙がこぼれてくる。 家で画集を見ているのならいいんだけれども、 美術館でも、涙が流れてくる。よく考えてみれば画集で気持ちを 揺さぶられる人間が本物を目の前にしてより気持ちを激しく 揺さぶられるのは当然のことなんだけれども。
歌でいうと、やっぱりカマロンなんだ、僕の場合。 特に感傷的な歌詞のを聴くともうだめ。 うるうるしてくるのだ。
例えばこんなの。 --------------------------------------------------
僕達は川と泉で育つ、 他の人達は掘建て小屋の中、 僕達は特別なんだ
カマロンは君に言う カマロンは君に言う カマロンは君に言う
僕の歌うこのジプシー・サルサ パコのリズムと共に生まれ、死んで行く 僕の歌うこのジプシー・サルサ パコのリズムと共に生まれ、死んで行く
カマロンは君に言う カマロンは君に言う カマロンは君に言う
ジプシーの苦しみ、ジプシーの痛み 楽しいバンドの演奏で喜びに変わるよ 楽しいバンドの演奏で喜びに変わるよ
カマロンは君に言う カマロンは君に言う カマロンは君に言う
僕達は偉大な民族、 純粋な魂と、高貴なハートを持ってる 僕が歌うこのサルサは ジプシーの手でインドからやって来た
カマロンは君に言う カマロンは君に言う カマロンは君に言う
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なんかこれだけなんだけど、歌を聴くとすごく泣けるんだよ。 この曲がマドリッドのジプシー達の間で大流行したのも 頷けるんだ。
ヨーロッパにはジプシーに対する差別意識はまだまだ 残っているから、ジプシーの生活というのはハードな ものがある。
カマロンの歌は、そんな彼等をすごく励ましたんだろうと 思った。そしてこんな風に自分達の事を歌ってくれる 歌手がいるジプシーをどこか羨ましく思ってしまったりもする。
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