いちご狩りに行って来た。
いちご狩り、それは、忍耐を要する過酷なバトル。
太陽の光を燦々と浴びたハウスの中で闘う30分一本勝負。
ハウスの入り口で薄汚れた農家の婆さんに練乳入りのプラスチックの器を渡され、制限時間になるまで延々といちごを狩りいちごを喰うのだ。
そしてなぜだろう。
気が付いた時には同行者と喰った数を競っているのだ。
ハウスの中のいちごはびっくりするほど美味くない。
なぜならフルーツとは本来冷やして食べるもの。
20度以上もあるハウスの中のいちごはそれはもう生温かく、3月の中頃のいちごはそれはもう大味で、甘いんだか酸っぱいんだか分からないグニャっとした謎の物体。
そして、渡された練乳はここでは不必要な代物。
数を競い合うこのハウスの中で練乳のついたいちごを食すということは、そう、自ら勝負を捨てるようなもの。
勝つ為には練乳など使うことは許されないのだ。
味を楽しむのは最初の3個だけ。
いつの間にか黙々といちごを狩りいちごを喰う。
味わう暇などない。
そしてじわじわと汗が流れハウスから逃げ出したくなる。
だけど「僕25個食べたよ!」なんて周りの人の声が聞えてくると、まだまだやらねばと思い止まる。
再び黙々といちごを喰う。
味に飽きてきてようやく練乳をつけてみる。
口に含んだとたん自分のとった行動を深く反省する。
甘くてゲロゲロ〜。
もう喰えない。
熱くて汗が止まらない。
もういちご狩りなんていやだ。
いちごなんて、いちごなんて、大嫌いだぁーーーー!!!!!!!
となったところで、ハウスを出る。
いちご狩り、それは、忍耐を要する過酷なバトル。
太陽の光を燦々と浴びたハウスの中で闘う30分一本勝負。
いちご狩り、それは、今まで思い描いたいちごへの愛を一瞬にして亡き者にする異様な一時。
いちご狩り、それは、たくさん喰ったもんの勝ち。
そして、この一時のあと心に残るのは、満足感ではなく嫌悪感。
オナカイパーイ、、、、、、
キルさんの狩りの結果。
37個。
それと、ハウスの近くで見つけた可愛いお友達。