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2003年06月30日(月)
 サヨウナラ、トモダチ。


昨夜のこと。



隊長が仕事の帰りにお迎えに来てくれて(実際にはお迎えが遅くてかなり待ったのだが)、
久しぶりに懐石料理を堪能して来ました。
今年初めての鱧、美味かったです。



料理が美味いとお酒も美味い。
日本酒もするすると飲んでしまい、帰る頃にはほろ酔い。
珍しく隊長も少しだけ酔っていてそして上機嫌で。
そんな彼を見て、今日がその日だと確信したワタシは、大切なトモダチを彼に紹介することにしたのです。



「声出しちゃダメだからね?」



そう言い、家のそばの鬱蒼とした公園の入り口の階段にワタシが屈むと、
チョコ・・・・チョコ・・・・チョコ・・・・。
トモダチのお出ましです。
「あの一番後ろのがたぶんミケオ、手前のがシロ、このキジトラがゴロベエ。」
隊長にワタシのトモダチを紹介すると、隊長はワタシの後ろで仁王立ちで眺めています。



「こっちおいで。」



ワタシが手を出すと、草むらから他の猫達もワサワサワサワサと登場し、10匹近い猫達がワタシの周りを囲んだのです。
「すげえな、こんなにいるんだ。」
隊長が感心する中、ゴロベエがおそるおそるワタシに近寄り、ワタシが近寄ると後ずさりをし、ワタシが止まるとまた近寄って来て。
他の猫達もゴロベエとワタシを見ながら、ワタシの身体にシッポでスルっと触りながら歩いたり、ワタシの後ろの仁王立ちの隊長までも興味深く見つめたり。



そんなことを繰り返しながら、ワタシはゴロベエが触りたくて触りたくて、ゴロベエに手を出して顔に近づけると、ゴロベエがワタシの手を引っ掻いたのです。
「痛っ。」
それでも嬉しくって、
「ねえ、ゴロベエに手引っ掻かれちゃった♪」
と、手を隊長に見せようとしたその時でした。









ゴルァアアアアアアアアアアアアーーーーーーーー!!!!!









隊長は急に大声を張り上げ、公園の入り口で地団駄を踏みました。
ワタシのトモダチはそれはもうびっくりして草むらの中へ逃げて行きました。
それでも残っていた数匹の猫に対し、隊長は今度は走って追っかけて行ったのです。
猫達は散り散りに逃げました。
そして、「これで終わりじゃねぇ!」そう言い、
隊長は公園の奥に向かって石までも投げつけたのです。









「なんてことすんのよ!!バカぁーーー!!!」
深夜の公園にワタシの声が叫び渡りました。
そして、ワタシはマジ泣きしました。



隊長は老人と子供と動物が大嫌いです。
でも、先日軽井沢でゴールデンを触っていたのです。
「こいつ可愛いなぁー。」と言って触っていたのです。
だったら猫だって一緒だと思ったのです。
今日は機嫌がいいから、今日こそトモダチを紹介するには最適な日だと思ったのです。



ワタシがバカでした。
隊長は、ワタシが1年もかけて築き上げた友情を、たった一瞬で粉々にしました。



ワタシがバカでした。
もうワタシにはトモダチがいません。



ワタシがバカでした。
ミケオごめんなさい。
びっくりさせてごめんなさい。
こんなオトコと結婚したワタシを許して下さい。



ワタシはトモダチを彼に紹介した自分を、バイカル湖よりも深く後悔しました。
でもワタシは負けません。
今日からまたコツコツと、1から信頼関係を築き上げます。
ワタシは負けません。



またトモダチになれるよね?(すがるような目で。)










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んなワケねぇだろっーーーーーー!!!







【追記】
さっき、ミケオ一家はワタシの姿を見るとさぁーっと逃げていなくなりました。










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