Home  BBS  恋文  ←1コ前  目次  →1コ後



2002年03月29日(金)
 受付嬢初日の詳細。


オハヨウでゴザイマス。
あー、今日も雨ですね。
まるでワタシの心のように、シトシトぴっちゃんと降っております。
昨夜は傷心のあまり、走り書きの日記を残しグッタリ寝てシマイマシタ。
いや、正確には、夕飯食べて寝て走り書きして寝ると言うグッタリぶりでした。
ごめそなさい。
それでは今からもう少し詳しくお話しいたしましょう。






はじまりはじまり。






雨が続くその週、彼女の門出を祝ってか、その日だけはとても良い天気であった。
マイーペースな彼女。
普通なら初出勤を前に多少ソワソワとするのだろうが、緊張のかけらまるでなし。
ただ純粋に行きたくない。
それでもしぶしぶ出勤の準備を終えたのだが、1つだけいつもと違うことがあった。
それは・・・・・。






うんこがでない。






昨日まであれだけブリブリ出ていたのに、今朝はモヨオスことさえない。
ウォシュレットでつついて見ても、ウンともスンとも言ってこない。
今思えば、ここからリズムは狂っていたのであろう。
彼女自身も胸騒ぎを感じたようだったから。







さて、うんこは出ないが時間もない。
彼女は出勤を急いだ。
その日は初日なので、まずは本社で入社の手続きがあるらしい。
面接もここで行ったのだが、まだ新しく大きなそのビルは働くモノに夢を与えてくれる、とてもいい感じのビルだった。


ここで少し、この学習塾について説明しておこう。
彼女のこれから働くその塾は県内でかなりの数を持つ小中学生を対象とした学習塾だ。
実際彼女の住む街の左隣のA駅、右隣のZ駅、そのまた右隣のT駅にもあり、いずれもまだ真新しいビル内でスクールを開いている。
そして、全て駅から徒歩2分と言う距離の近さだ。


本社ビルも自宅の近所のスクールも全てキレイなビル。
彼女でなくとも、自分の配属されるスクールもそれはもうキレイなところだろうと胸を膨らませてしまうであろう。






さて、電車に揺られて本社に着いた彼女。
まずは、学習塾の経営内容の説明を受けた。
そして簡単な新人研修。
社会経験の充分にある彼女には必要はないであろうと思われる社会人としての常識の説明。
その時、彼女の頭の中はあー、うんこでたくなったらどうしよー。でいっぱいだったようだ。
そして契約書にサインをした。
業務内容は配属先でまた説明があると言う。
彼女は配属先までの道のりを聞き、今度はそこに向った。






この時点でちょっと腹が減っていた。






地下鉄と私鉄を乗り継ぎおよそ1時間。
彼女が配属されたスクールは、彼女の住む街の左隣のA駅でも、右隣のZ駅でもなく、電車で5駅ほど先のN駅にあった。
彼女の住む街から、自転車なら30分、電車なら乗り継いで20分のN駅。
本当は右隣のZ駅で働きたかった彼女。
Z駅ならいつも踊っているスポーツジムにも近いし、家から歩いていけるし(普通の人は電車に乗るのだが)。
けれど、出勤希望曜日がどうしても合わず、あえてN駅にあるスクールにしたのであった。
N駅に着き、彼女は歯車が狂っていることを確信した。






N駅はなんとも言えない臭さだった。






なんてこったい。
ウワサには聞いていたのだが、N駅の近所にある養鶏所と養豚所から芳しい高貴な香りがその駅の周りをこれまた高貴にさせていた。
雨上がりの日はそれはもう強烈な香りらしい。
花粉症で鼻詰まりの彼女にこれほど感じさせるほどの不快な香り。
先が思いやられる。
そしてN駅の周りは何もない田舎だった。
昼飯を食べるところはあるのだろうか?
ぐったりしながら、Nスクールに到着した。






Nスクールはボロだった。






なんてこったい。
ボロなN駅に合わせるかのようにボロなNスクール。
この時点で彼女のぐったり度は80%を越えていた。
泣きそうな顔で自動ドアを開け、Nスクールに入った。
入ってすぐにある職員室と呼ばれる事務所。
中もボロだった。
いや、ボロと言うよりブタ小屋だった。
整理整頓がまったくされていないのだ。
中には数名の社員。
入り口の女性に案内され、紹介を受けた。
40代半ばの男性、これが室長。
40代後半の女性講師。
30代後半の男性講師。
そしてワタシを案内してくれた20代半ばの受付兼事務員Bさん。
他に2名の非常勤講師がいるそうなのだが、普段はこの3名を中心として150名の生徒に教育しているらしい。
まだ初日ってことで、みなさんとてもいい感じの人達だった。
少しだけ救われた。
室長からワタシの上司となるBさんから詳しい引継ぎをと命ぜられさっそく仕事が始まった。






この時点でかなり腹が減っていた。






Bさんに案内され、スクール内を見てまわった。
事務所内や教室、印刷室、給湯室など、Bさんはとても優しく案内して下さった。
まだ若いのに腰が低くてとても良い感じだなぁーとBさんを思いながら、でも昼飯はいつ食べさせてくれるのだろう?と時計を見た彼女。
時間は既に13時30分。
もしや昼飯は抜きなのかと不安になった。
そしてショックなことがあった。
それはトイレ。
職員室の近くにあるトイレは男女兼用。
もちろんウォシュレットなんてあるわけなし。
イヤだ。
別な階にある男女別のトイレに行けばいいのだが、そこは子供専用。
どうすればいいだろうか・・・・。
彼女はチビから使ってもいいだろうか?
ほらよく身の丈にあった云々・・・というではないか。
結局、その日彼女はおしっこを我慢した。







職員室に戻り、席を貰った。
だが、山のように荷物が積まれ、その上引出しも付いてない机。
椅子の下も荷物でいっぱいで、彼女がバックを置く場所どころか、完全に椅子入れることすらできない乱雑ぶり。
ぐったり度100%。
そしてミーティング。
一応参加はしたものの、ちんぷんかんぷん。
彼女の頭の中は、飯喰わせろー!!と叫び声がこだまし、目も虚ろ。
ミーティングが終わりやっと飯かと思いきや、Bさんからさっそく仕事を依頼された。
まだやっていただく仕事の準備ができてないので、とりあえずコレお願いします。
と渡された封筒。
その封筒の裏にスクールのスタンプをぺったんぺったんと押して欲しいらしい。
その数300枚。
ぐったり度は120%を軽く越え、彼女はキレそうだった。
腹が減ってイライラしているのが最大の原因ではあったが、パソコン入力業務及び受付業務という名目で採用されたハズなのに、どうしてこんな雑用をしなければならないのだろうか。
その上、ぺったん作業が終わってもチョッキン作業やらコピーとりやらプリントの仕分けやら、雑用ばかり。
今日から入社が決まっていると言うのにどうして段取りができてないのか。
それとも、これから先、ずーっとペッタンやらチョッキンやらばかりさせられるのか。






もう限界だった。
外の櫻を見ながらボーっと涙ぐんでいると、ようやく昼飯を食べさせてくれた。
それが15時。
ぐったり度90%まで復活。
やはり腹が減っていただけなのか?
しかし、彼女が不安を感じた通り近所には食べる場所もなく、となりのコンビニで弁当購入。
生まれて初めてコンビニでチンをして貰った。
もう泣きそう。
次回からべんべん持参で来なくてはいけない。
イヤだ。
べんべんなんて作れない。
素で困った。






昼食を終え、彼女は最後の望みに賭けた。
時間は16時。
そろそろバイトの塾講師が到着するころだろう。
どんな活きのいい大学生が来るだろう。
彼女は期待した。
かなり期待した。
しかし、
30分待っても
1時間待っても
2時間待っても
3時間待っても
活きのいい大学生は一人も来なかった。
来るのは活きの良すぎるガキどもばかり。
なぜ?
Bさんに尋ねてみたところ、バイト講師は雇っていないとのこと。
酷いっ。
酷すぎるっ。
新しい恋は?
目の保養は?









・・・・・・・・・・・・・。







そして彼女の1日は終わった。
家に着いてふと手を見ると、彼女の手のひらは真っ黒でガサガサだった。













以上が受付嬢初日の詳細です。
つまり、事務所がボロで事務所の中はブタ小屋で事務所の周りが田舎で仕事は雑用ばかりで活きのいい塾講師のバイト君なんていないってことです。
でもって、来週からはべんべんとハンドクリームは必須だなーってことです。
せめてもの救いは、初日からお友達ができたってことかな?
小学4年生の可愛いお友達なんだけどね(笑)。
これもやはり、身の丈に合ったと言うのかしらん?












↑流行の投票ボタン。押していただけると活力になりそー。




←エンピツ投票ボタン。
今日もまた最後まで読んで下さってアリガトウ。感謝感激でゴザイマス。ぶりっ。


 Home  BBS  恋文  ←1コ前  目次  →1コ後


←「SPICY TALK」定期購読ボタン。
排泄日記をmy登録されているエンピツ作家の皆様アリガトウございます。
SPICY TALKのmyエンピツは非表示設定中です。

SPICY TALK キル /