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三千代ちゃんのくれた乃南アサさんの「風紋」という本のなかに、涙壺という言葉が出てくる。主人公の少女のお母さんが殺されてしまった時に悲しいのだけど、涙は心の涙壺に溜まるだけで、実際には流れてこないというくだりがある。悲しい感情が横隔膜に作用して、涙が出ていないのに、呼吸が変になってしまうことがあるけど、この、野波アサさんの涙壺に涙がたまる、という表現の方が私にはぴったりくる。涙が出た方が、涙壺にたまるよりもすごく楽だなと思う。