手紙に事典があるのです。

2004年07月22日(木)

「現代の手紙事典」(釘本久春編/福音館書店/初版1958年)とゆう書籍を買いました。
検索しても出てきません。

札幌の「十一月」とゆう喫茶で見つけたんですが、様々な手紙の書き方を紹介するとゆう趣向がそもそもぐっとくるうえ、テーマのチョイスが具体的に面白がれ過ぎます。
例えば「第二章-五 勧誘」。
いろいろなイベントに誘う場合の理想的な手紙の書き方が記されてます。

「梅林に誘う」
「静かな旅館に誘う」
「潮干狩りに誘う」

多様な趣味をお持ちなようで何よりです。
さらに「スキーに誘う」とゆうのもあるんですけど、
途中「相談もしないですまない、昨年の旅館に部屋を予約してしまった。」
としたためてある。手紙でいうことか?

あと「湯治に誘う」のところに付箋が貼られてあるんですが誰のだろう。

「第二章-七 謝絶」とゆういささか穏やかでない名前の章では、

「借金の依頼を断る」
「縁談を断る」
「保証人依頼を断る」

と身も蓋もない例文が続き過ぎ。

その後「暑中見舞」とか「入学祝」などの当たり障りのない手紙が続いて、
「第三章-五 お見舞」。

「集団赤痢発生を見舞う」
「学校の焼失を見舞う」
「バス転落事故を見舞う」

さらに「第三章-六 お悔やみ」。

「娘を失った人へ」
「日本脳炎で死亡した子の親へ」
「自殺した人の親へ」

と胸を締めつけられる具体的な内容。

その他とにかく膨大な量の手紙用例文が綴られ、巻末には「英文手紙の書き方」まで紹介する手の込みよう。
enough! enough!

当時の本には夢があったんだなーと改めて感じさせてくれる名著です。
お勧めしたいんですが多分売ってません。
あとこの付箋は誰がつけたんだろう。(気になる)