武ニュースDiary


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2018年10月15日(月) 高暁松、金城武を語る(文)1

2016年10月29日(土) にアップした、
「喜歓你」(恋するシェフの最強レシピ)撮影時のエピソード、
「高暁松、金城武を語る」(←クリックで記事に飛べます)ですが、
動画が著作権の関係で見られなくなっていました。
ご覧にならなかった方もいらっしゃると思いますし、
内容も残しておきたい話なので、
字幕の部分だけアップします。
文章だけなので、字幕という制限から短くしたり
言い換えた部分を手直しして、もう少し読みやすくしました。
2回に分けて。

前と後が欠けた一部分になりますが、動画はここで見られます。
晓松奇谈 :高晓松称搭档戏骨金城武很幸福

なお文中の「男人手冊」は最終決定前のタイトルです。



くは化粧をして映画に出たんだ。
ぼくの阿里影業が出資している「男人手冊」という映画。
阿里影業は映画製作を本格的に始めたんだが、
その1つで、楽しいコメディだよ。
自分の会社の映画だし、友達のピーター・チャンがプロデューサーだから、ノー・ギャラで。

だが嬉しいことに、超かっこいい男に会えたんだよ。
ぼくは彼の映画を見て育った。
彼にそう言ったら、彼の顔に殺気が浮かんだよ。
「どういう意味? ぼくはそんな年寄りですか?」
若くはない、でも本当はぼくより少し年下なだけ。
ただデビューが早かったから 早くから見てたわけさ。

「恋する惑星」とか「天使の涙」とか見たさ。
あの頃は様々な芸術映画が次々作られた、偉大な時代だったからね。 
その他に大作映画も見たよ。
「ウォーロード(投名状)」「ウィンター·ソング(如果・愛)」……
もうわかっただろう、ぼくより少しだけ顔の良い、金城武さ。

面白かったよ。ぼくの出番は全部彼と一緒だったからね。
彼は主演男優、ぼくは……ナンバー幾つなのか
どうせ1日しか撮影がない役さ。おバカ野郎役でね。
コメディだもの、おバカ野郎は必要さ。
ゴシップを追いかける恥知らずのキャスターで、彼を取材する。
彼は超々クールな金持ちのイケメン、つまり大会社のボス、
女たちに追いかけられる、そんな役だ。
ネタバレになるから、ここでやめよう。

との芝居は面白かった。
演技にはレベルがある。
初めはカメラの位置も、相手役の位置も、
自分がどこにいるかもわからず、懸命に演じるだけ。
終わってから、自分がぼやけて写ってたり
影に入ってたりしたことに気付く。これが第1の段階。
演技するだけで他のことには頭が回らない。
サッカーと同じだ。
初めは誰でも試合に出たら、蹴るだけで周りは見えていない。

次の段階が、手慣れた俳優だ。 
相手役がカメラに背を向くように仕向け、
自分は一番いい場所で、一番いい照明が当たるようにする。
相手役は損するよ。古ダヌキ役者とでも言おう。

最高レベルの俳優は、映画全体を考える。
自分が中心かどうか、ライトが一番よく当たっているかなんて、もう考えない。
映画全体がどうあるべきかが、完全に頭に入っている。
だからだよ、俳優出身で優秀な監督が多いのは。

金城武の前にも、そんな俳優がいた。
ぼくの2本目の映画「我心飛翔」に出た。でも公開されなかった。
ぼくの最初の2作は、1本目はお蔵入り、
2本目はSARSの流行とぶつかった。
それが「我心飛翔」で、陳道明(チェン・ダオミン)が主演だ。

陳道明と今回の金城武には、共通するものを感じる。
つまりベテランの名役者だということ。
自分がこの芝居の中心であり、大黒柱であることを理解しており、
芝居全体を考えて他の役者をリードし、立ち位置を決める。
だから相手は気持ちよくやれるんだ、春風に包まれるみたいにね。

城武は日本語、広東語、台湾語、それに中国語、英語が話せる。
沖縄の言葉もできる。
母語は台湾語と日本語、母親が台湾人で父親が日本人。
演技経験が長いから、中国語と英語も上手だ。
ぼくとは中国語で話をした。
撮影スタッフも監督も香港人なので、彼らとは広東語で話す。

よく尋ねてたよ、「カメラの焦点距離は?」って。
「32ミリ」と言われたら、彼はすぐわかる。
撮影のときには、もう自分の位置を完全に把握している。
ぼくが、「こんなにすごいとはね!」と言ったら、
彼は「そんな難しいことじゃないでしょう?」と、
「まじめにさえやっていれば、
何本か撮れば誰でもわかりますよ」と言うんだ。
焦点距離を聞いたら、彼にはすぐわかる、
前景はどうなるか、後方はどんな感じか、
どこならぼやけていいか、自分の位置はどこか。 (続く)


   BBS   ネタバレDiary 17:00


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