武ニュースDiary


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目次前の記事新しい日記


2011年05月26日(木) 「武侠」出資者・梅洪氏の話

久々の情報噴出に、寝不足の日々でした。が、それも終息。

ということで、「武侠」のプロデューサーの立場から語られている話が面白かったので、
これを2〜3回に分けて、カンヌは一段落と、しよう。


侠」の共同出資者、鼎盛文化産業投資公司社長の梅洪(メイ・ホン)は、
かつて広州電視台でディレクターをしていたことがあり、
「外来妹」などの連続テレビドラマを撮っている。
長年海外を渡り歩き、近年は文化産業への投資を行ない、
チャン・イーモウのイメージシリーズの他、承徳で文化産業圏を作り上げた。
映画への投資は、彼にとっては新鮮な仕事であるが、
いったんやるとなったら、対象は大物作品「武侠」なのだ。

国内の大事な記者発表会に出席しなければならなかったため、
梅洪は「武侠」のカンヌでのプレミア上映には間に合わなかった。
だが、その後、数日間訪れた中で、あちこち見て回り、収穫は多かった。

5月20日、梅洪はカンヌのビーチで小紙のインタビューを受け、
「武侠」制作班は、プレミア後の内部の反響に対し、愛情の部分を増やすと語った。
ということは、タン・ウェイの出番が増えるということでもある
梅洪はまた、ピーター・チャンの次の作品「血滴子」と「鍾馗」にも出資する。

「武侠」のカンヌ宣伝費用は1日2万ユーロ

――あなたはこの映画の6つの出資社の1つですが、いくら出資しているのですか?
それはどんなことに使われるのでしょう? なぜこの映画に出資するのですか?


梅洪 「武侠」の出資者は、星美(北京)影業有限公司、人人電影、我們制作有限公司、
鼎盛文化産業投資有限公司、江蘇広電幸福藍海影視集団、それに雲南電影集団です。
星美影業とチャン監督の出資額が一番多く、
星美は自身の映画チェーンを持っているので、なお都合がいいのです。
鼎盛文化の出資額は2000万元です。
最初は総額1億2000万と見積もっており、始まってからも足りなくなるのではないかと心配して、
追加を考えていましたが、その後、コスト管理がうまく行くようになりました。

1本の映画にかかるコストは主に4点に集中しています。
第1は出演者の報酬です。
今回我々がオファーした主要出演者は、全員一線の俳優のドニー・イェン、金城武、タン・ウェイで、
それ以外の出演者まで非常に有名な人たちです。
ジミー・ウォングや惠英紅、李小冉など、みんな素晴らしい。
第2は映画の舞台です。
この映画は雲南の騰衝で撮影しましたが、
清朝末期の時代の特徴を再現しなくてはならず、撮影地については条件がありました。
なぜ騰衝で撮影したのか?
雲南は少数民族で有名な省ではありますが、明朝末期に開拓のために
騰衝に大軍を駐屯させていました。
その上、交通が不便だったので、今でもこの地には漢民族の文化的特徴が
非常に完璧な形で残っているのです。
撮影の過程で、スタジオを建てたり、ワイヤーを使ったり、必要なものは何でも投入しました。
また、この映画はアクション映画なので、第3のコストとしてCG制作の分があります。
タイで一部分行なったほかは、ほとんど韓国で制作しました。
最後が、機械設備やスタッフの労働など、当たり前の支出です。
今あげたものには、プロモーションや配給は含まれていません。

――カンヌの街中で巨大な看板を見ました。非常に目を惹きました。
カンヌにいた人ならほぼ全員の目に入ったと思いますが、この費用はいくらだったのですか?
誰が出したのでしょう?


梅洪 アメリカの配給会社ワインスタイン社です。
この費用は非常に高く、日割りで計算すると、2万ユーロ、
これを10日間、映画祭の期間中ずっと掲げます。
今、パレ・デ・フェスティヴァルの向かい側のビルにありますが、ここは最高の場所です。
後で海沿いの大通りにあるインターコンチネンタル・ホテルの前にも掛けます。
1本の映画の全世界公開には、宣伝費用だけでも最低1000万米ドルを超える金がかかるのです。
我々は主に中国内地の宣伝をします。

映画が市場化するということは、最終的には興行成績で考えるということ

――映画を見ている時、あることについて、確かめいたいと思っていました。
金城武はなぜ劇中で四川語を話しているのですか?
周りでも、他の人物はみんな普通話で話しているのにと、不思議に思う人がいました。


梅洪 私の理解しているところによると、俳優にとって最大の挑戦とは何だろうか?
それは自分自身を超えることです。
金城武は大変優れた中国人映画スターです。
ここ数年は、「LOVERS」「投名状(ウォーロード)」「如果・愛(ウインターソング)
「赤壁(レッドクリフ)」といった重要な作品に出演しています。
だが、この映画に出演することになったとき、彼は役がつかめないのではないかと心配していました。
感覚をつかむには、たくさんの方法をやってみますが、方言を使うのはその1つなんです。
観客が最良と思うとは限りませんが、しかし俳優にとっては試してみる価値のある方法です。
そうすることで、彼と役とがもっと近づくことができました。
おそらく標準的な四川語ではないでしょうが、俳優にとっては、それはあまり重要ではありません。
特に海外で配給するときに、言葉は決して重要ではない、
重要なのは、俳優が役を正確につかんでいるかどうかです。
結果的に、この方法は有効だった、それで十分です。

――製作者として、海外の興行収入と国内の興行収入は、
それぞれどのくらいになるか予想できますか? 予想数字はありますか?
「武侠」の興行成績を保証するのは何ですか?
映画業界には、監督に投資するのはリスクがある、
いい監督が必ずしもいい成績を収めないという言い方があります。
プロデューサーとして、市場をどうつかんでいますか?


梅洪 もともと、全世界で約4億という試算はしています。
映画への投資は、すなわち監督への投資です。なぜなら映画の核心は監督だからです。
我々が最も重要視するのは、監督が監督する映画の品質です。
なぜ我々がピーター・チャンに投資するのか?
最も得難いのは、彼の映画の品質の連続性です。彼は質のレベルを非常に良く維持しています。
国内の多くの監督は、巨匠たちも含めて、良い作品を作るけれど、差が大きすぎます。
ピーター・チャンの初期の「双城故事(愛という名のもとに)」「ラヴソング」から
後の「投名状」「如果・愛」「十月囲城(孫文の義士団)」等々、すべて一貫して水準を保っている。
見れば作品の風格の連続性がわかりますし、品質も維持されて大きな差がありません。

監督にはまたテーマを思い通りに扱う能力があります。
ある監督たちは作品が異なるとレベルが変わる、これは制御能力に問題があるということです。
ピーター・チャンはこの点で優位に立っています。
彼は若いころ、アメリカのカリフォルニアで映画を学んでいますし、
のちにはジョン・ウーについて仕事をした時期もあります。
香港映画の市場化の程度は大陸よりも高い。
大陸の監督は、よく映画を個人の芸術的理想の表現として用います。
その結果、映画自体は社会への理解を含んだものになりますが、
商業的には多くの問題があります。
つまり、以前言われていた、評判は良いが、人気はない、ということです。
映画が市場化するということは、最終的には興行成績で考えるということです。

私は個人的に、世界市場を分けて考えています。
全世界の映画マーケットは大きく2つ、1つは北米、もう1つはヨーロッパです。
彼らの中国文化と中国映画に対する理解は一体どんなものか?
現段階で主なものはやはりアクション映画です。
アン・リーの「グリーン・デスティニー」とチャン・イーモウの「英雄(HERO)」が、
現在、国際的に最も影響を与えた2本の中国語映画です。
もし、この題材を選択しないのなら、受容には必ず限界があります。
ピーター・チャン監督は今回武侠の題材を伝達手段として選び、新しい解釈をほどこしました。
この2つの面を非常にしっかりととらえています。
彼の言った一言に私は特に深く同意します。
それは「武侠があるから、武侠を変えることができる」です。
過去の武侠映画の形を変えるには、新しい解釈と新しい方法が欠かせません。
例えば、彼が今回採用した物理的方法は、
ミクロの表現方法を採ったとき、非常に面白いものになりました。

プロデューサーには2種類あります。
1つは、撮影班と一緒に、全ての現場に参加する者で、
私はどちらかというと、テーマの確認など、相対的に見ていく方です。
私のすべきことは、資金の保証と宣伝、それに映画の方向性の問題ですね。

――しかし、「武侠」を見て、ピーター・チャンがミクロの視点で解読していくやり方が、
物語のテンポを乱していると感じた人もいました。
おそらく、それが2、3回ならまだいいのでしょうが、ちょっと多い感じがします。
「武侠」製作部では反響の収集は行なっているのですか?


梅洪 今度のカンヌ映画祭で上映された「武侠」は、決して最終版ではありません。
みなさんの疑問や、あるいは助言に基づいて、我々は戻ってから調整を行います。
今回、カンヌ映画祭に参加するために、ピーターは40時間眠らない時もありました。
審査には早くに送っていましたけれど、ノミネートされたのはやはり予想外だったのです。
ですから、ちょっと急いだところがかなりあります。
今後観客の皆さんがご覧になる版は、おそらく感情部分をもっと強調したものになるでしょう。
今おっしゃった部分については、私個人は、リズムが抑えられているところがあるのはわかります。
新しい試みには必ずいくばくかの疑問が生じます。
このような試みは当然リスクがあります。
非常に新しいものですから、多分あまり受け入れやすくはないでしょう。
映画祭でプレミア上映を行なうことを通して、映画チェーンでのプレミアの場合より、
調整できる余地が多くなるのです。そうしなければ、間に合いません。
今は情報の時代で、情報が非常に透明になっています。
ピーター・チャン監督も微博をしていますので、
まず、マスコミ、観客の反響に対して、交流をしていくでしょう。(続く)
騰訊娯楽 2011.5.22


それと、気がついたのですが、ネタバレを黄色で伏せても、携帯からだと全部わかってしまうんですね。
今後、ネタバレ! という感じのものは「ネタバレDiary」になるべくアップした方がいいかもしれません。
というわけで、小さなンネタバレ記事、そちらにアップしました。
みなさん、ネタバレは避けたい人が多いと思いますが、
なかには、知っておいて見るのが楽しいという方もいらっしゃるので、
そういう方だけ、ご覧ください。



   BBS   ネタバレDiary 更新   2:40


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