武ニュースDiary
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2010年09月19日(日) |
チン・シウトン、「投名状」のアクションを語る●走るウーヤン |
旧聞に属しますが、「投名状」で大変苦労したという アクションのチン・シウトンの話を残しときます。 (ピーターさんつながりというわけでもないけれど) それにしても、このプレミアからもう3年なんですか!!
チン・シウトン「投名状」を語る
12月6日夜、武侠歴史巨編「投名状」が、 北京で盛大なワールドプレミアを挙行する。 大勢のキャスト、スタッフも次々と北京に到着した。 アクション監督のチン・シウトンはプレミアの前日、 新浪娯楽による独占インタビューで、 「投名状」は自分にとって、全く新しい試みであり、 最大の困難は、型を使わずに、型のあるアクションよりも良いものにするという ピーター・チャンの要求にこたえることだったと語った。
乱れの中の秩序こそ最重要
チン・シウトン設計のアクションは、 これまで軽やかで人間離れしたものとして賞賛されてきたが、 今回、「投名状」の撮影では、監督のピーター・チャンから、まずこう言われた。 いわく、ワイヤーを使わない、型を全く感じさせない、 あまり振り付けしすぎないものに。 「これは確かに少々きつかったね」とチン・シウトンは言った。
「アクション設計はちょっと大変だったよ。 というのは、型を使わないと、あちこち、めりはりのないものになってしまいがちだからだ。 事細かに振りをつけるのも、全然つけないのも、どちらもだめだ。 乱れた中に秩序があるのが一番大事なんだ。 そうでないと、武器はみんな本物を使うから、ケガをしてしまう。 我々は図を描き、位置をはっきりと決め、 しかし俳優の動き方は大体決めるだけにしておいた」 これがチン・シウトンが最後にたどりついた折衷策だった。
谷で食糧を奪うシーン、蘇城の大戦、それに金城武とジェット・リーの最後の対決は、 最終的にチン・シウトンが非常に満足しているシーンである。
わざと血なまぐさくするのではない
自身が確立した作風を変えることについて、 チン・シウトンは、「大変いい経験」だと考えている。 「ずっと同じ作風だったから、今回は大転換する。 それに今、テレビドラマはワイヤーだらけだ。 映画、特に時代劇は国際化し、絶えず新しいものを追求していかなければならない。 昔ながらのものばかりではだめだ。 私が昔使ったようなものは、今の中国のテレビドラマで全部見られる。 変化こそ生きる道だ。 それにいつも時代劇ばかりで、あっち飛びこっち飛びの武侠物は、もう飽き飽きした。 現代物も手がけてみたいし、毎回、違ったものでありたい」
世界の市場で認められることは、「投名状」にとって、国内での成功に劣らない。 外国の観客は一体、人間離れしたアクションシーンを好むのか、 それともこのような本物の、力と力の戦いを見せるアクション映画を好むのか? チン・シウトンは、内容次第だと考えている。 「スター・ウォーズ」なら、当然びゅんびゅん飛び回るアクションは欠かせない。 だが、総じて言えば、今の観客はやはりリアルな方を好んでいる。
また、「投名状」のプロモーションフィルムが公開されると、 血なまぐさすぎるという批判があったが、チン・シウトンは驚かない。 「まだ通して全部は見ていないが、撮影していたとき、監督は、非常にリアルで、 戦争の残酷さが伝わるようなものであることを望んでいた。 国によって、映画審査と上映の基準は違うと思う。 どのように手を入れるのか、私は知らないが、 『投名状』が血なまぐささを売り物にする映画ではないことは断言できる」
ピーター・チャンは、良いものになりさえすればよい
周知のことだが、ピーター・チャン監督は武侠映画を手がけたことはない。 チン・シウトンの見るところ、「投名状」は厳格な意味での武侠映画ではないが、 アクションは重要な要素である。 2人の間の調整とコミュニケーションが映画の質に影響するのは言うまでもない。 チン・シウトンは、ピーター・チャンはアクション映画の経験はないが、 そのアクションがいいか悪いかはよく分かると言う。 ちょうど、有名な話で、鶏の卵を生んだことがなくても、どの卵がうまいかは、 生んだ母鶏よりよくわかる、と言われているように。
「ピーター・チャンはこういう映画は撮ったことがないので、 最初は私も頭が痛かった。 だが、彼は見ればわかるので、アクションに対する要求は高い。 言葉にすることは出来ないかも知れないが、 どれが良くてどれが悪いか示すことができる。 もっといいやり方はないかとね。 そこで私も今までやったことのないことを、ずいぶん試してみたよ」 チン・シウトンは言った。
3兄弟はみな散打を練習
ジェット・リーは世界でもトップのアクション俳優で、実際も武術出身である。 長年のやり方をいきなり捨てて「散打」風に改めさせることは、 アクション監督のチン・シウトンにとってもジェット・リー本人にとっても、 大きな挑戦だった。 「実は3人とも緊張していた。 ジェット・リーはこんな長い間アクション映画をやってきて、 突然ばりばりのリアルさを要求されたんだ。 彼のたくさんのアクション演技はどこへ行ってしまったんだ? 観客も彼のアクションを喜ぶ者が多いから、 型のない闘い方を受け入れられるだろうか? 型がなくてどうやってアクション映画が撮れるんだ? それが私たちの共通の疑問だった。
幸い、実際にはまず共通認識を持ってから撮影を行なえた。 ジェット・リーもプレッシャーは感じなかった。 というのも、彼はとっくに監督が欲しいものが何かわかっていたからね ――型はないが力強さが欲しいってことだ。 彼自身も、この映画で一歩突き抜けたかったんだ」 とチン・シウトンは語った。
一方、アンディ・ラウと金城武は、もともと武術の基礎はない。 ピーター・チャンはCGや特殊撮影はできるだけ少なくしたがっている。 ならば、彼らのアクションシーンはどう処理したのだろうか? チン・シウトンの回答は、一番大事なのは安全、というものだった。
「武術のできない俳優を完璧な武功の持ち主に見せるのは、 アクション監督の一番基本的な能力だよ。 アンディ・ラウと金城武は武術俳優の出身ではないが、 この映画のアクションは、実はそれほどのことはない。 たたき切るならたたき切る、ストーリーに従ってやればそれでいい。 アンディ・ラウの方が武侠映画の経験はたぶん多かったから、 もっと適応しやすかったろう。 金城武はアイドルで、文芸映画の方が多い。 だが、彼はとても聡明で、言うとおり、一生懸命やる。 もともと型は要らず、リアルな闘いを追求するので、武術は不要だから、 2人のスタートラインは同じだ。 馬術も金城武の方が弱いが、役柄上、徒歩が多い。彼は非常に足が速いんだよ」 (新浪娯楽 2007.12.6)
●走るウーヤン
アクションシーンにまつわる、こんなエピソードもついでに。
「投名状」では金城武は末の弟役なので、 戦場で敵に向かって突撃して闘う場面が大変多い。 だが、アンディ・ラウやジェット・リーのように、 馬上で雄々しい姿を見せるということはできず、 厚ぼったい鎧を着て走り回らねばならないので、彼を大変やりきれない想いにさせた。 実は、彼は、他の映画でも、いつも走ったり、 追いかけっこをしたりしていることが多いのだ。 「ターンレフト、ターンライト」や「如果・愛(ウィンターソング)」などは、 走っているシーンがたくさんある。 今回の「投名状」もまた例外ではなかった。 そこで、彼はいつも監督に、もう走らなくていいよう懇願し、 あるときなどは、「船に乗るのはどう? その方がまだいいですよ!」と言い出して、 監督をひとしきり笑わせた。
あるシーンなどは、アンディ・ラウもジェット・リーも騎馬で敵と戦うのに、 金城武だけが2本の脚で敵陣に突入しなければならなかった。 2人が馬に乗っているのを見た彼は言った。 「どうしてぼくだけ走るんですか?」 ジェット・リーがこう言ったものだ、 「ぼくら2人は年がいってるからね、君しか走れないのさ!」 アンディ・ラウも言った。 「君の走りっぷりはかっこいいし、ぼくらの馬より速いからね、 もちろん君は走らなくちゃ!」 聞いた金城武は泣くに泣けず笑うに笑えず。 (CCTV.com 2007.12.26より)
BBS ネタバレDiary 1:15
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