武ニュースDiary


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2009年11月11日(水) 「台湾VOGUE」 2009年11月号

まだ実物は見ていませんが、記事がDerrickのところにアップされているという
「台湾VOGUE」11月号。
ビオテルムのカメラマンとのことが少しだけ出てきたので、ご紹介。



VOGUE 成熟した男の魅力
The Mellow Years
次の一歩に集中する


久しぶりである
光の影に隠れた姿
もの思わしげな瞬間をとらえる
静寂は
彼がまさに繭から出んとするの意らしく

(写真キャプション)
初めて「台湾VOGUE」の表紙を飾った男である。
当時、VOGUE本社が懸念を表明したにもかかわらず、雑誌は驚異的な売れ行きを示し、
その記録は誰にも破られていない。
金城武の魅力は、CM撮影を行ったフランスの化粧品会社のエリートたちをも惹きつけ、
大勢が日本に飛んで、この出身は台湾ながら世界を征服した若者の魅力を
じかに感じ取らせることになった。


Takeshi Kaneshiro。
言語を用いず、全アジアを感電させ得る、女に愛され、男に認められるこの顔、
それが金城武である。

人々を不思議がらせるのは、なぜ、ランクがますます上がり、飛ぶ鳥落とす勢いの大スターが、
真空パックにでもなったかのような完璧な状態を保っていられるのか、ということだ。
デビューして15年、歳月は金城武の身に備わるスターの輝きをいささかも損なうことなく、
それどころか、よく鍛えられた非凡な体躯がますます目立つようになってきている。
ミステリアスで、控え目で、口数少なく、またスキャンダルもない彼の、
業界での取材のしにくさとライターの書きにくさは、フェイ・ウォンになぞらえることができる。
が、こういった困難が、彼らに対するマスコミの敬愛をいささかも減じさせることはない。
いったいどんな栄養分が、長年の間に少しずつ、彼を追いかける人間たちを潤してきたのだろうか。

金城武に、なぜこんなに魅力があるのか問うのは、あるいは愚かなことかもしれない。
たとえ、生物学的にはDNAの排列によって、初めからすべてが決められているのだとしても、
彼は恥ずかしげに、謙虚に微笑みながら言うのである。
「……それは……どう言ったらいいのかわからない。
いつも思うのは、人が1つのことに専念しているのを見ると、すごく魅力的だな、ということ。
以前、ある年配の親方が革服の縫製をしているのを見て、
その瞬間、その集中した表情に惹きつけられました。
空気が数秒間止まってしまったみたいでした。
でも、印象に強く残りました。これが集中の魅力です」

かっこよさとは縁を切りたいと強く思い、変化しようとする集中力にこそ注意を向けてほしいと願う。
だが、あまりに美しい容姿は時に必ずしも助けにはならない。
騒々しい世間に人は満ち、ひそむ障害に自ら気づく者は少ない。
うわべの美しさという枷を振り切る勇気を持つ者は、さらに稀である。
たとえ時間をかけ、力を注ぎ、気力を尽くして作られた包装を解体し、
美しいだけのイメージという巨大な壁を打ち砕いても、
次の日、あるいはもう一瞬のうちに、あの完璧な世界の蜃気楼は、
これまでと同じようにたたずみ続けるのだ。

「投名状」の、義兄弟と血の盟約を交わし、
目を血走らせ戦いながらも、無力な子どもの涙を流す男。
あっというまに、今度は「赤壁」の、手に羽扇を揺らせ、言葉少なくゆったりと歩み、
風格と威儀を併せ持つ諸葛亮である。
金城武の近年の映画作品に、我々は、厳格に守られる契約という高い壁の向こうに、
彼が何か新しい方向へ向こうとするのを窺い見る。
たとえ、見た目の美しさは相変わらず文句をつけ難いとしても、
金城武が1つ1つ、可能性の限界を試しているのを否定することはできない。

彼を映画出演に向かわせるものは何なのか?
金城武は即答する。
「脚本がとても大事ですが、それに監督、スタッフチーム……など、どれも選ぶカギですね。
もちろん、今の年齢とキャリアでめぐりあう役、
あるいは20歳少しのときの自分だったらとてもできない役、ということもしょっちゅう考えています。
だから、次の作品と次の一歩については、
現在の自分に一番あっている役をとても演じてみたいです」

アメリカの著名な写真家Aldo Rossiと、このシリーズの撮影を行なったとき、
もともと集中して内にこもる金城武が、突然ストップをかけたのだ。
話し合いの中で、彼は長年一緒に仕事をしてきたスタイリスト北村勝彦に、
その場でカットして髪型を変えてほしいと主張した。
同じビオテルムの北米の最新男性イメージキャラクターChris Noth(Mr. Big)を
撮影したことのあるAldo Rossiは、金城武の仕事を大事にするプロの態度を絶賛した。
カメラの前の彼、細部に注意を注ぎ、ひそかに力の限りを尽くして
新しい可能性を生み出そうとする彼の小さな一歩は、
どの一歩も、軽視できない大きな一歩なのである。
(蔡依潔・文/台湾VOGUE2009年11月号)


 BBS   ネタバレDiary 23:40


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