武ニュースDiary


* このサイトはリンクフリーです。ご連絡はいりません。(下さっても結構です。^_^)
* 引用は、引用であるとわかる書き方なら、必ずしも引用元(ココ)を表示しなくても構いません。
* 携帯からのアドレスは、http://www.enpitu.ne.jp/m/v?id=23473 です。
* 下の検索窓(目次ページにもあり)からキーワードでDiaryの全記事が検索できます。
* バナーは世己さんから頂きました。
* Se inter ni estus samideanoj, kontaktu al mi. Mi elkore atendas vin, antauxdankon!


目次前の記事新しい日記


2006年07月19日(水) 「如果・愛」の評判

「傷城」撮影情報はその後出てきませんが、撮影中なのは確実ですし、
2、3ヶ月で撮り終わるでしょうし、だとすると、
中途半端な情報など出ないほうが、公開のときに楽しみになるというもの。

このDiaryを始めたころは、「左右」の撮影が始まったときだったとはいえ、
それまでがあまりにも何もなかったので、少しでも気持ちの空白を埋めるべく、
毎日何かと話題を引っ張り出していたものでした。

でも、今は事情が違います。
秋の映画公開を控え、「傷城」もそんなに待たされないであろう予感、
その上日本のお仕事もあるそうな……ですから、
ゆっくりと行きたいと思います。

その「如果・愛」ですが、半年間、漢字とアルファベットのサイトを
さまよったあげくの感想は、「LOVERS」と反対に、
どうも中国語圏での評判の方が、欧米をかなり上回っている気がします。
ピーター・チャンはアメリカにも学んで、
作風も中国らしさを強調していないのですけれど。

もともと、大陸の観客を射程に入れて制作したもので、
米アカデミー賞エントリーは監督の当初の狙いではなかったので、
それでいいのでしょう。
日本の映画関係者(評論家)の反応も、とても良いので、
無国籍風に見えて、実はアジアの感性にしっくり来る作品なのかも、
と思ったりしています。
いずれにせよ、日本語字幕でしっかり見てからですね、判断は。

日本では、「香港電影通信」で、去年のベネチアレポートで
暉崚氏が「これは素晴らしい」と誉めていたし、
香港金像奨レポートの号(187号)では野崎歓氏が、


ーハップス・ラブ(如果・愛)』はピーター・チャンの
最高傑作といっていいほどの完成度の高さだ
(『ラブソング』は、香港映画史上の最高傑作(の一つ)だとして)

と述べ、ついでに男優賞でこんなことを書いています。

の日、ぼくの目で見ていちばん緊張し、
気合の入った表情を保っていたのはアーロン・クォック。
無冠に終わったのはかわいそうだったが、
考えてみると『パーハップス・ラブ(如果・愛)』の金城武など
ノミネートさえされていない。
あの映画、超絶的演技の周迅に対して、
金城君のいつもながら甘美な持ち味抜きではなりたたなかっただろうに。
アイドルの貢献度が、賞による評価の対象にはなりにくいのは
当然かもしれないが、過小評価が気の毒にも思えた。

最後の部分には異論もありですが、
この映画は日本では歓迎されるのではないかという気がします。
私自身、こういう精緻で、かつ想像空間の大きい映画はとても好きです。

大陸のブログで、「傷城」会見を受け、
主演4人について触れたものがあったのですが、
すごく辛口な人で(女性です)、
トニー・レオンはかっこいいと言われているけど、そう思わない、
目が電気を放つと言うが、感じない、
演技がいいというのもわからない……という調子。

その他の3人については、嫌いだったが、
それぞれあるきっかけから印象ががらりと変わって好きな方になったと、
そのきっかけを書いていました。
(要するに、「傷城」に期待しているのです)
全部は面倒なので、武のところだけ。


城武は、多くを語るまでもないだろう。
顔に頼って何とか飯を食い、
台湾なまりで歯の浮く甘ったるい言葉を口にする。
私の嫌いな男の特徴――きれいなだけ――そのものだ。
「LOVERS」を見たとき、後ろの列の女が、
金城武が登場するたびに「すてきだわ……」と言い、
すごく嫌だった。実に低俗。

その後、「如果・愛」を見に行ったときは、
またこういう女達に出会うのだろうと思っていた。
ところが。今回「すてきだ」と口にしていたのは私だった。
だが、決して容貌にではない。演技にだ。
金城武は1人の複雑な男の心を相当的確に表現していた。
――自分が軽蔑している女を愛し、そのことで
自分自身をもっと軽蔑することになる。

彼はこの役を非常によく掴んでいたのである。
(Candy集中営 2006.7.13)

――というくらいですから、未見の方は期待して下さい。もうすぐです。



BBS  ネタバレDiary  23:15


前の記事あさかぜ |MAIL

My追加