武ニュースDiary


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2003年09月20日(土) シンガポールでの金城武評

「向左走、向右走」の宣伝でシンガポールを訪れた金城武について、
当地のマスコミには様々な記事が載りました。
それらを読んで、少なからず気が重くなっていたのは、
武のことを、非常に口数少なく、自分自身を表に出さず、
気難しく、孤独な人物のように書いたものが多かったからです。

あるいは、プロモのやり方が、何かと大スターぶっていて、
非協力的というのを匂わせたものもまた多く、
そのため、シンガポールの記事はほとんどご紹介しませんでした。

それは私たちの知っている武とは別のイメージで、
あまりに表面的な観察ではないかと思われたからです。

中で、唯一、独自のインタビューをすることができたのが、
「i」という中国語の週刊誌でしたが(I weekly)、
インタビューを担当した編集者、楊麗玲がインタビューとは別に書いた
コラムを読んで、ようやくつかえがとれた気持ちになりました。
そこでその文章を以下に。

この号の「i」は、「向左走、向右走」(武)特集といってもいいくらい、
表紙の他、武関係で7ページ、ジジに3ページ、
映画広告が1ページ2カ所、映画紹介に2ページ、
さらに目次にも大き目の写真、おまけに、テレビ欄には
「ゴールデンボウル」の第4回の予告が芥川の写真付きで載っているという、
断然お得な号だと思います。(写真も多い)

*********

金城武のシンガポール来訪は、当然のことながら大騒動を引き起こした。
彼はアジアでは近年まれなスターであり、
それは所属事務所のイメージ作りの成功と、
彼自身の天性の魅力のしからしめるところだ。

多くのマスコミは不満を持ったようである。
あるいは彼らがあまり慣れていないということかもしれない。
スターが保護されているということに、
映画会社が戦々恐々といろいろな制限を加えてくることに、
そして周囲に動かされることなく我が道をゆくスターがいることに。

あるマスコミは彼を皇帝のようだとマンガで揶揄し、
面白みがないと言い、
すぐ機嫌が悪くなると言い、
わけのわからない人物だと言う……私は非常に意外に感じた。
これは金城武のことか?

私にとって彼が非常にインタビューのとりにくい相手であることは
それはもう確かだし、
取材するときも、非常にしんどいけれども、
何回か彼に会った印象はいつも大変良かった。
誠実で率直だからである。
他の芸能人のように、自分をアピールしてやまないということがない。
答えはいつだってさっぱりとして、時には無駄話に興じてしまうこともある。
わからないことはわからないと言い、
無理に意味のある言葉をしぼり出すこともない。
例えば「向左走、向右走」の中で使われた詩のことを話したとき、
彼は自分はあまりよくわからないと言い、
中国語訳が硬すぎると言ったこともあった。

一体マスコミには、インタビュー相手に向かって、
これまで何をしてきたかを公衆の面前に並べあげるよう要求し、
また、自分のことをよく知りもしない記者相手に、
個人的な感情を丁寧に説明しろと要求する権利があるのだろうか?
たくさんの金城武についてのニュースを読んでから、
インタビューの録音テープをもう1度聴き直し、
そんな疑問を抱いた。

もちろん、これは見方の問題であり、
絶対的な答えはいつになっても永久に得られないに違いない。
それでも確かなのは、マスコミがどのように彼のことを書き、
人がどのように彼を見ようと、金城さんは初めっから気に留めはしない。
悪口は空回りし、彼は相変わらず楽しげに日本に潜んで
気ままに愉快にやっていくに違いない。

スターは悲劇的宿命を逃れられないと思っている人がいる。
なぜなら、いつも体面を保っていなければならないし、
常に大衆の目を意識しなければならない。
人々を照らす重々しい光背を背負い続けねばならないからだ。
ところが実は、その命運を決めるのは、個人の性格なのである。

とらわれず、自分が何者か、何が必要か知っている者もいる。
周りの人間はただ騒ぎ立てているだけで、
彼らはひっそりと自分の足で生きていく道はとろうとはしない。
金城武はそれができる。
フェイ・ウォンも、マギー・チャンも、できる。
だからゆったりと自在でいられるのだ。
スターだって、楽しく生きることはできるのだ。


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