武ニュースDiary
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2003年03月07日(金) |
香港修行時代の金城武(再録) |
「向左走、向右走」の話が本決まりになってから トー監督つながりでアップしたことのある、1993年の雑誌記事です。(ちっと長い) 撮影中の「武侠七金剛」が何をさすのかはわかりません。 香港のファンにも聞いてみましたが、タイトルからだと、 お坊さんの出てくる映画のようだし、知らないとのこと。 時期から言うと、「香港犯罪ファイル」ですかねえ。お分かりの方はどうかご教示下さい。
ニッキーが出演することになった「新同居時代」はオムニバスで、 ニッキーはシルビア・チャンとの共演。 シルビア・チャンが、昔、武と仕事をしようとしたとき、 若すぎて見送ったと言ったのは、この映画です。
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この半年ほど、ほとんど香港にいる金城武。 最近は台湾の家族のもとに帰る以外、めったに公の場に姿を現わさない。 ことに、先日台北で行なわれた誕生会と公益CM出演の後は、 香港の「訓練所」にすっかり引きこもってしまっている。 2ヶ月前、香港で偶然彼に会ったときは、 あれもこれも勉強しなくちゃいけなくて忙しく、くたくただ、とこぼしていたものだ。 が、今、再会した武の表情は輝きがあふれ、香港での修行の成果がうかがわれる。
先日の台北での20歳の誕生会には、ニッキー・ウーが、 抜けられない仕事のある中、お祝いに駆けつけてくれたが、 番組収録に遅れてしまい、スタッフの不興を買うことになった。 それが武はずっと気にかかっていた。 だから、ニッキーが「新同居時代」撮影のため香港に行き、 商業テレビの特別生放送でファンを招いて誕生パーティーをするのを知ると、 飛んでいってお祝いを述べたのだった。 台湾の両小天王の仲のよさの一端がうかがわれる。
「ねえ、武。今君は、本当に幸せだと思うでしょう? 台北であんな立派な誕生会をしてもらって、大勢のファンと一緒に楽しく過ごせたんだから。 ニッキーの方は、それほど幸運ではなかったよね。 映画の撮影に忙殺されながら、あわただしく夜中の10時なんかに ファンとの誕生会をしなけりゃならなかったんだもの。 それに比べると、とても満足だったはずだよね」
「そうですね。いや、でも……誕生会のときは、ほんとうに満足でした、 すごく感動しました。 あのとき、泣いてる女の子たちもいて、忘れられないですね。 でも、ニッキーが運が悪いとは言えないですよ! 彼は今、台湾で仕事をしながら、何日か時間をさいては香港でも映画を撮ってるでしょう。 たまたまそれが誕生日にぶつかって、台湾ではできなかったけど。 今商業テレビが彼の生番組を提供してくれてるし、すごくいいじゃないですか」 武はニッキーの現在の活躍をわがことのように喜んでいる。 ニッキーが広東語を流暢にあやつり、 メディアのマイクを通して香港中のファンや聴取者と声を合わせて誕生日の歌を歌ったことが、 本当にうらやましそうだった。
ニッキー出演の「新同居時代」の青年役は、もともとは金城武に来た話だったが、 そのことで2人が気まずくなったりということは全くなかった。 実は、武は目下、映画「武侠七金剛」の仕事が進行中だ。 もしかしたら台湾のファンは聞いてみたいのじゃないだろうか…… 「武の演技は上手なの?」
「ヘタですよ。まあ、ゆっくりやりますよ。 今はたくさん映画をやってみたいと思っているんです。経験を積みたいから。 でも、ああいいなと思ったからその映画に出られる、ってものではないし」 そのとき、かたわらの広報担当が急いで口をはさんだ。 「ジョニー・トーだって、すごくいいと言ってましたよ! 武と私がトー監督と一緒に食事をしたとき、 ツイ・ハークが別のテーブルにいたんですけど、 急いでやってきてあいさつして言ったんです、 『おい、彼を使いたいんだけど、いいかい?』 トー監督はすぐ答えましたよ、『いいとも! 彼はいいよ!』って。 後になって、その映画『青蛇』の役は頭を丸めなくちゃいけないらしいってことがわかり、 具体的な話になる前に取りやめになったんですけど」 なんと! 香港の大監督2人の覚えますますめでたい金城武なのだ。
当人は現代劇と時代劇、どちらが好きなのだろうか。 「どちらがいいということはありません。 今は、オファーがあることだけで嬉しいですから。 でも、今香港では時代劇は少なくなりましたよね。人気ないんでしょうか」 「どんなタイプの映画をやりたい?」 「どのタイプにもいいのとよくないのとありますからね。 ねえ、でもすごく変なんですよ、 『ワンダーガールズ2(東方三侠2)』には現代の服装もあれば 昔の服装もある、おまけに軍服まで出てくるんです。 いつの時代っていうのがないの。わけわからない」
金城武は「草地状元」「ワンダーガールズ2」「武侠七金剛」に出演しているが、 こういう映画の後は、「天長地久」のようなラブストーリーを やってみたいなんて思わないだろうか? 「ぼくにできますか? とても残念だけど。 そりゃあ思いますよ、スケールが大きくて感動的なストーリーの 文藝ロマンを演じられたらいいなって。 だけど、今は経験不足だから、多分うまく出来ないと思う。 何年かしたら見てくださいね」
「『武侠七金剛』の撮影は順調だね! 撮影所ではみんな広東語を話しているんでしょう、 大体わかる? 台本は覚えられる?」 武は一瞬ぽかんとすると、吹き出して言った。 「台本なんて、ない。撮影前にこういうふうに演じろと言われるだけ。 『ワンダーガールズ2』も同じでしたけど。 それで、もしセリフが覚えられなかったら北京語で言っちゃう。 監督も北京語はけっこう上手だし、どうしても広東語を覚えなきゃいけないとか、 広東語の口の動きにしなきゃいけないとかないし。 どっちみちあとで吹き替えすればOKだから」
武は「ワンダー…」撮影時、かなりNGを出したと記憶しているが、 あれからずいぶんたって、経験をつみ、進歩したのだろうか? 「NGは多くなかったですよ! ぼくはトー監督が厳しい要求する人だったらどうしよう、 NGばっか出したらどうしようって、ずっと心配だったんですけど、 全然そんなことはなかった。 多分、監督はぼくがお気に召さなくて、どうでもよかったんですよ。 ぼくの演じた若い教祖役が何しゃべったって誰も別に聞いてないんだから、 どう演じてもかまわないと思ってたのかも知れないよね。
本当はね、撮影期間は監督はとても無口なんです。いろいろ言わない。 いつも、ぼくが何通りか演じてみて、監督がその中でいいのを採る、 というようにやっていました。 だから、監督に話したことがあるんです、おかしかったら言ってください、 ぼくも勉強したいですから、って。 そうしたら、監督はにっこりして言ってくれたんです。 『心配いらないよ。この映画は難しくない。君はとてもよくやってるよ』 それですごく気が楽になったんですよ」
今、金城武は香港で、広東語、歌、ダンス、作詞作曲、香港の芸能界に慣れることなど あらゆる方面での訓練に真剣に取り組んでいる。 一方で、映画撮影と並んで、陳昇のプロデュースによるCDの選曲も始まった。 もちろん、武自身も歌作りをする。 今回も、事務所は武を香港清水湾のある一室に「軟禁」し、2週間創作に専念させて、 年末年始休みの時期になんとか新アルバムを発売したい心積もりだ。 私たちは様々な訓練を経たこの素敵な青年が、 上々の成果をひっさげてくるのを心待ちにしようではないか。
(「蛍幕偶像」1993年末頃?)
BBS
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