ゆりゆり日記
ただ知ること
過去にあつめたカケラで出来る絵は
その瞬間瞬間ごと
いつも完璧だということ
そうして明日を未来を生きていく

2004年10月25日(月) 現実のふた

Hさんの自宅は無事だったものの
独り暮らしのお母さんの家は
床上のかなりに水が上がったそうで
ご本人が妹さんの家に身を寄せている間
親戚や知り合いの人たちと一緒に毎日
何一つ動かせなかった家財の
片付けをしていると聞き
陣中見舞いに行ってみた

家近くの貸した倉庫にあった
材料や商品が山となって外に出され
家財道具は隣の空き地に
既に畳の床は綺麗に剥がされて
靴のまま上がったキッチンと隣のダイニングは
まだ手付かずで木がめくれ上がっていた

被災前は
足腰が弱っているお母さんが
手近に置いたものや
大量に買い込んだ消耗品で
溢れていたという部屋
借りているうちの家もそうだったけれど
もしそのまま本人が亡くなれば
結局後に残った誰かが処理しなければならない

今回のことがきっかけで
浸からなかったものも含めて
整理されていくのは
うちもまるで同じだと思いながら
持参したシフォンケーキを切り分け
大きなやかんに紅茶を煎れた
8人と聞いていたのが後から後から人が増え
結局20人分ぐらいを準備した

ちらしずしを差し入れにきてくれた
知り合いの人たちやら
みんなで座る場所もなく
立ったままのお茶となったけれど
誰もが喜んでくれたようでひと安心
逆にお昼に作ったというおでんや
頂いたお鮨もお裾分けしてもらって
おみやげがいっぱいになった

行く前に和室の畳を上げたものの
その下の木の床は剥がせそうになく
ちょっと意気消沈していた
本当は床を上げた下の土に
石灰を撒いた方がいいんだろうけど
台所や廊下は到底無理なので
僅かに台所の下水蓋あたりから
手の届く辺りに散らしただけだった

やっぱり
せめて和室だけでも
床を上げた方がいいんだろうなあ
それができたら一番なのは解っているけれど
明日もういちどトライして
それでもダメなら
できることをするしかない


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ゆりすこ [MAIL] [吉祥堂]

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