ストラスブール 2003年 X'mas物語
【聖夜へのプレリュード】
冬蕪のポタージュスープ、温かいキッシュパイ
【天使の囁き】
フレッシュサーモンとタラバ蟹のサラダ薔薇飾り、自家製フランス産鴨胸肉の燻製
【ハーモニーの奏】
フォアグラのポワレ トリュフソース 大根と蕪を添えて
【白い恋人達】
新鮮な鮮魚とオマール海老のデュエット、海の幸とオクラのムース包み
【サンタクロースからの贈り物】
牛フィレ肉の網焼き 赤ワインソース 季節の温野菜を添えて
又は
富士高原産地鶏のロースト 香り豊かなシャンピニオンソースで
【メリークリスマス!】
ブッシュ・ド・ノエル フルーツ ビターチョコアイス
【きよしこの夜】
生チョコとエスプレッソ(画像なし)
クリスマスイヴイヴではあるが、一足早く関内にある
ストラスブールにて、クリスマスディナーをいただいて来た。
サイトの方をご覧になれば分かることだが、こちらのオーナーシェフの小山氏は、今年の春まで横浜クィーンアリスで料理長をなさっていた方で、それ以前の肩書きも素晴らしい。
肩肘をはらずに良質のフレンチをリーズナブルに楽しんでいただきたい・・・と言うコンセプトのもとにストラスブールをオープンしたのが今年の7月。
小さな路地にそこだけお洒落な空間のカジュアルなレストランがあった。
建物も内装も調度品もまだ真新しさが残り、狭いフロアながらもゆったりとした感覚で配置されたテーブルが心地良かった。
料理はとても優しい感じのフレンチ。
先日「エリゼ光」で体験したような斬新さや挑んでくるような存在感は感じられなかったが、どのお皿も平均して美しく、美味しく、何しろ食べ易く女性向き。
ん!!コレはなんだ!?というような味ではなく、あーん♪とトロトロにとろけてしまいそうな味と言えばご理解いただけるだろうか。
特に定番ではあるが、フォアグラと大根のハーモニーが最高で、大根の甘みには驚いた。
ボリューム的にもお肉料理の途中でかなりの満腹感に満たされたし、バターが激しく美味く、パンをたくさん食べてしまった。
しかし、料理前半のサービスはいまいち。
オープン後初めてのクリスマスという事もあるだろうが、フロア内の段取りが悪い。
入店からテーブルに案内された後、挨拶とドリンクメニューを持ってくるまで10分以上待たされ、ようやく注文した白ワインが今度は冷えが足りないからと言っておあずけをくらい(と言うか、だったらワインリストから外すが断るかすればいいのに)、その上待っている間に料理だけがどんどん運ばれペリエすら出してくれない。
こちらから頼んでようやく水を貰い、そしてようやくワインが出て来たものの、グラスが空になってもなかなか注いでくれない。
テーブル数の少ないレストランなのだから目が行き届きそうなのだが、質の良い店員がたったの二名では、この混雑を乗り越えるのが難しかったのだろうか。予約制の二部制に設定されているのに。
料理中盤に入り、首を傾げる点がなくなったものの、フォアグラを食べるまで噴火寸前になっていた隊長を宥めるのが一苦労であった。
今までクリスマスディナーと言うとホテル内のフレンチレストランでしか食べたことがなかったし、正直、シェフの肩書きからもかなりの期待を持ってしまっていたので、マイナス面が大きく感じたのかもしれない。
が、どんなに素晴らしいキャリアを持っていても、どんなに美味しい料理を作れる人であっても、お店を経営するとなると全く別物だということだろう。
「料理、サービス、店内の雰囲気の三つが揃ってこそ、お客様にとって居心地のよい空間が生まれると思うのです。」というコメントを以前小山氏が語っていた記事を読んだことがあったのだが、そこに到達するにはまだまだ長い道程のような気がする。
が、常連のお客様が多く見受けられたので、きっと普段はもっと素晴らしいレストランなのだろう。
辛口の批評になってしまったが、ワタシ自身も、今度は『街のお洒落なレストラン』と言う雰囲気に見合った背伸びのない料理なら、もう一度食べてみたいと思うので、誰かワタシと一緒にランチに行きましょう。
隊長はもう二度と行かないそうなので。