Shigehisa Hashimoto の偏見日記
塵も積もれば・・・かな?|それまで|これから
2005年05月13日(金) |
この星の明日をかけたスクランブル |
私が初めて「スーパーロボット大戦シリーズ」をプレイしたのは1995年、つまり今から10年前である。10年といっても早いもので、中学一年生の終わりから二年生のはじめにかけて第3次スーパーロボット大戦に夢中になっていたのを、つい最近のことのように覚えている(しかし完全にクリアしたのはさらに一年後の中学三年生のときだった)。翻って近年、バンプレストのキャラクター商法の一種に過ぎなかったこの作品も、今では常に50万人近くのファンを擁するブランド的人気をともなったシリーズ作品となった。だが、ひとつひとつの作品の質は以前(具体的に言えば製作の土台にウインキーソフトがからまなくなってから)に比べて明らかに落ちている。理由は明白で、あまりにも作品を乱発しすぎた故に、ネタづまりになってしまっているからである。このシリーズに限らず、ゲーム業界は長らく縮小傾向の中にあり、人気シリーズの続編でなければヒットを見込めなくなっている、という背景があるので仕方がないのかもしれないが。 閑話休題。今年は2000年に第一作が発売されたいわゆる「αシリーズ」の最終作がこの夏発売される。ファンの一部にはこの最終作を区切りにスーパーロボット大戦を卒業する、という向きがあり(実は私もそう考えている人間の一人である)、その意味を含めてこのシリーズのひとつの区切りとなりそうな予感である。そこでこれをひとつの機会と捉えて、今まで自分がプレイしたスーパーロボット大戦の簡単なレビューとそのベスト5を発表したいと思う。もちろん全ての作品をプレイしているわけではないので、マニアの方々には納得のいかない結果になるかもしれないが、その辺はご容赦ねがいたい。原則として私がプレイした順に、遊んだ時期を添えて書き記すことにする。
第3次スーパーロボット大戦(95〜96年) シリーズ初プレイ。同時に今までで最も難易度の高い作品である。インスペクター四天王にはいつも泣かされました(専用BGMの「VIORENT BATTLE」がいよいよ怖い)。一年かけてやっとネオ・グランゾンにまでたどり着いた時はホンとに嬉しかった。 第2次スーパーロボット大戦(95年) もともとファミコンで発売された第2次をゲームボーイでリメイク。友達に借りてプレイした。システム面等を含めてオーソドックスの極みみたいな構成が心地よい。 第4次スーパーロボット大戦S(97年) 高校受験を終え、とりあえず公立高校に受かったのを機にプレイステーションの本体(中古)と共に購入。第3次を遥かに上回る登場ロボット数とシナリオのボリューム、ポップなセンス、魅力的な主人公機など、褒めるべきところがいっぱい。高校入学前の春休みという一番のんびりとした時期に遊んだと言う要素も重なって、個人的ベスト・スーパーロボット大戦は間違いなくこれ。 新スーパーロボット大戦(97年) 今度は誕生日祝いにかこつけて購入、夏休みにプレイした。リアル等身が話題となった作品。独特なクセが強いシナリオで、好みがはっきりと分かれるだろう(私はそんなに嫌いではない)。まずいのはロード時間が何かにつけてかかる点で、売り物にすらなっていないと言う声もあるらしい。 スーパーロボット大戦F(97年) エヴァンゲリオンの登場で反響が凄かった作品。記憶では同年5月に製作が発表され、発売日は劇場版エヴァンゲリオンの完結編の公開で沸き返る7月下旬という最高のタイミングに予定されていた。しかし、メイン製作者の病気で製作が難航し、一ヶ月延期された後にさらにもう一ヶ月延期され、最終的には9月下旬まで待たされる羽目となった上、ゲームが不完全なまま前後編に分割して発売されるという事態になってしまった(後編は翌年春に発売)。この製作の遅延が及ぼした影響は、ことの他大きかったのではないかと推察される。とは言え、ゲーム自体はいろんな意味で好きである(何しろ、発売時のリアルタイムでプレイしたスーパーロボット大戦はこれがはじめてなのである)。実際のアニメーションやDVEも悪くはなかった。 魔装機神 〜スーパーロボット大戦外伝〜(97年) シリーズのオリジナルキャラクターであるサイバスターをメインに据えたスピンオフ作品である。自由度の高いシナリオ分岐がウリで、ガイドなしで完全攻略を目指すと疲れてしまうだろう。しかし、独自の世界観はなかなか魅力的で、キャラクターデザインの秀抜さも含めて、スーパーファミコンの終焉時代を彩るに相応しい作品に仕上がったと言えるだろう。 スーパーロボット大戦F完結編(98年) 昨年から持ち越した「F」がやっと完結する。しかし、ここに至ってのゲームバランスの崩れは嘆かわしい。「第3次〜」とは違う意味で馬鹿みたいに難しいのである。ひと言でいって、クリアするのが面倒くさかった。
スーパーロボット大戦COMPACT(99年) ワンダースワン本体の発売と共に投入されたキラーソフト。主人公機なし、カラオケなし、キャラ・ロボット大図鑑なしとかなり小ぶりな印象も、モノクロ携帯機ではしょうがないか。この頃の僕は明らかにスーパーロボット大戦バカだったので、ワンダースワンと同時に迷わず購入した。 スーパーロボット大戦α(00年) バンプレストがスーパーロボット大戦のブランド化に着手した、その記念すべき第一弾とでも言うべき作品。圧倒的な登場ロボット数とシナリオボリュームは今までの作品とは段違い。 加えて、気持ちいいほど良く動く戦闘アニメーションを最大のウリとしていた。大上段に振っておいて話が完結しないまま終わるのはシリーズ作品ゆえ仕方がないか。
スーパーロボット大戦COMPACT2(00年) 前作と同じくワンダースワンで発売。援護攻撃等システム面を大幅にいじった最初の作品。主人公に魅力がないのが難点。 スーパーロボット大戦α外伝(01年) 前作「α」と基本フォーマットを同一にしつつ、更なる発展改良を施した作品。αよりも数段洗練された戦闘アニメが秀逸。また、「外伝」と銘打つのに相応しい、サイドストーリーのはさみ方が割に上手くいっていた。 スーパーロボット大戦IMPACT(02年) 初のプレステ2作品。とは言ってもコンパクト2の焼き直しで見るべきところは特になし。何しろ冗長に過ぎるシナリオ(全部で120話ぐらいある!)をこなすのがただでさえ面倒くさいのに、難易度がこれまでで一・二を争う出来だったので多くのファンが途中でプレイを投げ出したらしい。 スーパーロボット大戦A(02年) ゲームボーイ・アドバンス初のスーパーロボット大戦。携帯機にもかかわらず、登場するロボットの量はかなり多い(第4次を完全に凌いでいる)。ただしストーリーが坊ちゃん小説みたいで辟易する。 スーパーロボット大戦R(02年) ゲームボーイ・アドバンス第二弾。グラフィックは「A」を凌ぐものがあるが、シナリオの稚拙さは払拭されず。フェティシズムのみで見せようとするなんて言語道断である。 スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION(02年) 3発目のゲームボーイ・アドバンス版は、これまでのスーパーロボット大戦から生まれたオリジナルロボット・オリジナルキャラクター(サイバスタ-を含む)が一挙に集結するという異色作となった。私はバンプレストのオリジナル作品がおおむね好きなので、企画意図そのものは理解するが、素人っぽい話のつくりは何とかならんのか。 第2次スーパーロボット大戦α(03年) 二年のブランクを置いて再開された「α」シリーズ第三作。とは言え前作、前々作に出ていたロボットがいたりいなかったりなのは少々ちぐはぐ(特にα世界の根幹をなすマクロスが登場しないのはシリーズの統一感を崩すという点で大きなマイナスだと思うのだが)。今作の目玉として、複数機のロボットで小隊を組むことができるシステムが採用されたが、これが果てしなく面倒くさく、何だか「信長の野望」でもプレイしているような錯覚に陥ってしまった。 スーパーロボット大戦D(04年) コストパフォーマンスで快調なゲームボーイ・アドバンス第4弾目は、割に落ち着いた印象。ツメスパロボなどを導入し、何とか新味を強調しようとしているが、しょせんは同工異曲であることは免れないだろう。まあ、私は割に楽しめたが。 スーパーロボット大戦MX(04年) マンネリを避けるためか、これまでとは明らかに目線を変えてきた作品。これまでは各原作のエピソードをなぞる形でシナリオが進行してきたが、今作では原作終了後をベースにストーリーを発展させるという作風を採っている。この方式は個人的には歓迎したい。いつまでも同じことをやっていたってしょうがないのである。 スーパーロボット大戦ORIGINAL GENERATION 2(05年) 独自な展開が出来る「ORIGINALGENERATION」第二弾は前作を上回るロボットが登場。戦闘アニメーションもさらに進化。オリジナル好きには言うことないが、やはりシナリオが弱すぎる。痴人みたいな性格のキャラクターの見本市という感じではなはだ情けない。
以上18作品のなかからベスト5をあげるとすればこうなる。
1位 第4次スーパーロボット大戦S 2位 スーパーロボット大戦F 3位 魔装機神 4位 スーパーロボット大戦α 5位 第3次スーパーロボット大戦
やはり最初の頃にプレイした作品に高評価を下しがちで、まあこれは私の外装より内装を尊ぶ趣味が如実に現われた結果といえるだろう。結局、ゲームといえども実態はとっつきのいい小説みたいなものだから、筋の面白さは絶対的に重要なのである。まあ、シナリオといってもキャラクターゲームですから底は見えたものですが…それでも昔の作品は地に足の着いたお話を楽しむことが出来たのです。どうも近年の同シリーズはこの点を安易に処理しすぎていて、わたしのような玄人には物足りないですね。TVゲームの黄金時代は残念ながら終わってしまいましたから、このシリーズがどこまで頑張れるか、まあ見物であります。
橋本繁久
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