我々が一般的に知らないことで不可思議な法改正があります。 そのひとつに2001年に発令された「水質汚濁防止法の改正」があります。
これは事業者からの排出される有害物質を規制することを目的としているものですが、 温泉の成分にも含まれるホウ素やフッ素も排出規制の対象になっています。 (要するに例外規定は設けないということ。)
新聞報道やテレビニュースでは、温泉業界つぶし、旅館ピンチ、などと言いますが、 もう少し詳しく言うと、環境省の管轄である旅館業は規制の対象、厚生労働省の管轄で ある日帰り温泉施設は公衆温泉法の対象なので規制の対象外となる。 同じ温泉源を使用しても、管轄省庁が変わると扱いが変わるという妙な法律なのです。
一方で人間にやさしい、いい法律でありながら、それはもう一方では、有史以来から 存在する人間の営みを排除するという悪法でもあります。
そもそも例外規定を設けないと言うのなら、ホウ素やフッ素を含む温泉水を排出する すべての事業者を規制しなければならないし、それが環境省の管轄だけというのも 片手落ちといわざるを得ません。(縦割り行政のいい事例)
別の見方をすると、そもそも旅館があろうがなかろうが温泉水は流れ出るものであるから 有害物質が流出する量は規制しようがしまいが変わらない。(意図的に汲み上げているに しても、温泉水が発生する量は変わらない。具体的には個々の事例を検証しなければ なりませんけど。。。)
要するに、温泉業者の有無にかかわらず放出される有害物質を、あえて事業者を対象に 規制を加えて取り締まるというものですから、何らかの意図があるとしか言いようがない。 (しかし、もし排出規制装置なるものが存在して、それを売り込む業界の後押しだとしても、 その排出規制装置はまだまだ開発途上だという情けない話です。この開発途上の装置は 3〜4000万円すると言うのだから、このバカ高い装置をすべての旅館業者に導入させて 温泉業界つぶしでもやるつもりなのか、となるのです。)
このような、妙な法改正の猶予期限が今年の7月に迫っているという紹介でした。
はい。今日は晴れのち曇り。(東京地方)
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