しむちゃんのつれづれ日記
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2001年10月20日(土) 水を考える

日本の地形は山から海までの距離が短いです。よって、山に降った雨は
たちどころに海へ流れて行きます。この流れ方が問題なんです。

結論から言うと、植林と水田に対する国の政策が間違っていると思うん
です。不幸なことに、日本国民の多くは山や水田が負っている役目を
分かっておりません。そのことが水に対する認識の不足につながって
くるんです。水はタダのようにジャブジャブ使っておりますが、水は
タダではありません。天の恵みであっても、その活用の仕方が間違って
しまえば、恵みどころか凶器になってしまいます。

その一番いい例が、大雨の時の洪水。
山から鉄砲の弾のごとく流れてきた水が、行き所がなくなってあふれて
しまい、堤防を破って我々の住む居住地へ流れ出てくる。

この原因としては、
1.不要なダムを作りすぎた
2.山林開発の後処理を間違った
3.水田政策を間違った

他にもあるでしょうが、大きなところはこんなところでしょうか。

1のダムについては田中康夫くんが声を大きくして叫んでおります
脱ダム論に通じるところがあります。確かにダムを作れば水資源の
有効活用を一時期はできるでしょう。しかしダムには寿命があります。
20〜30年過ぎれば作り替えるか修復しなければならない。コスト
を考えると、これでペイするのか?また、腐葉土の蓄積をどうやって
排除するのか?ダムの許容量を過ぎた水を流す場合の下流の影響を
どう考えて作ったのか?そのあたりに多くのダムは疑問が残ります。

2の山林開発は、要するに木を切った後の植林をなおざりにしている
こと。山の手入れには手間がかかるにも関わらず、山林に関わる就業
人口が減っている。この現実があるから植林もより手間のかからない
針葉樹を植えている。広葉樹ならば根の生え方が深くまでいくので、
しっかりとした山がつくられるし、保水という点でも有効。なのに
針葉樹を植えざるを得ないから山はユルユル、水はけも悪い。山崩れ
を起こしやすいという副産物も発生する。当然ながら水ははじけて
鉄砲水になって激しく流れ出してくる。

3の水田政策については各方面で論議をかもし出しそうですが、まず
水田の役割を考えてみましょう。山から流れてきた水を下流で受けと
めているのは水田です。水田に水が流れなければ、川だけで水流を
海までつながなくてはなりません。つまりバッファーの役目なんです。
この水田の役割が非常に大きくて、昨今の日本人の米離れや輸入の
促進により日本の農業が危うくなっています。海外からの安いお米に
対抗できるコスト競争力を持つ必要があることは誰もが考えることで
すが、かつての農業政策により米作にいそしむ農業者が苦しめられて
きたことは明白です。水田を守るためには、かつての農業政策を改め、
食料品としてのお米の地位を上げることに精力を注ぐことです。

官僚の多くは過去の事例を逸脱するようなことを極めて嫌う人種です
から、つまり先人を否定することが出来ない人種ですから、彼らの中の
常識では改めることは出来ないでしょうが、自分の友人(農水省)も
含めて、少しずつでも自分たちの生活を守れる政策に変えていくように
願うばかりです。とにかくお役所に勤める人は縦割りの社会で、ヨソの
ことには無関心で、ヒトごとにしていてもノホホンと過ごせる時代は
過ぎたと自覚するべきです。自分が関わっている仕事に誇りを持って
国民のために下僕として精一杯働くべきです。じゃなきゃ我々の税金
から出ている給料をもらう資格はない。もしくは、そんな悪態があっても
許せるような、国民から喜ばれる政策を実行するべきです。

「やってあげているのではなくて、やらせてもらっている意識が必要」

ちと役人批判の方向に変わってしまったのでここらで止めときます。
いずれにしても、生活に必要な水を安定供給できる日本であって
欲しいものです。

はい。今日は一日いい天気。晴れ。(東京地方)


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