『日々の映像』

2010年06月21日(月) 中国、広がるスト 「世界の工場」に異変



1、日産:中国の系列工場でスト
                 毎日新聞 2010年6月19
2、部品工場のストでトヨタ工場停止、ホンダも
                 2010年6月20日   日本テレビ
3、中国、広がるスト 「世界の工場」に異変
                       2010年6月20日 毎日
         ◇権利意識、若年層が主導
         ◇日系企業、対応に苦慮 「既に多額投資…後引けない」

 中国では日本など外資系メーカーの工場でストが多発している。中国にある「トヨタ自動車」の工場が、ストライキの影響で、18日から操業を停止している。「ホンダ」も、広東省の部品工場で起きたストライキが原因で、工場の操業が一時ストップとなっている。 「世界の工場」と呼ばれる中国だが、賃上げを求めるストライキが相次いでいて、その影響拡大が懸念される段階になっている。

 この一連の動きで外資の進出はかなりブレーキがかかることになるだろう。リスク分散の意味で中国からの撤退を考える企業も当然出て来ると思う。カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは現在85%を占める中国生産している。この生産比率を引き下げることを検討。将来的に生産の3分の1以上をベトナムやバングラデシュなど賃金が安く、労働者も穏健な地域で賄う方針であるという。

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日産:中国の系列工場でスト
                 毎日新聞 2010年6月19日
 【北京・共同】自動車部品メーカー、日本プラスト(静岡県富士宮市)は18日、日産自動車やホンダにハンドルやエアバッグを供給している中国広東省中山市の工場で17日から、賃上げを求めるストライキが続いていることを明らかにした。中国では日本など外資系メーカーの工場でストが多発している。
 現地工場の従業員は約600人。17日のスト発生後にハンドルなどの生産を停止、労使間で賃上げ交渉を行っている。またホンダ系の自動車部品メーカー、高尾金属工業(滋賀県甲賀市)も18日、同社などが出資する湖北省武漢市の部品工場で17日から18日にかけ、ストが起きていたことを明らかにした。
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部品工場のストでトヨタ工場停止、ホンダも
< 2010年6月20日 0:36 >  日本テレビ
 中国にある「トヨタ自動車」の工場が、ストライキの影響で、18日から操業を停止している。中国では、「ホンダ」も、広東省の部品工場で起きたストライキが原因で、工場の操業が一時ストップした。
 トヨタ自動車によると、操業停止に追い込まれたのは天津にある組み立て工場。現地部品メーカーで賃上げを求める従業員のストライキが起き、部品が調達できなくなったことが原因。トヨタ自動車によると、部品工場のストライキは収束していて、21日にも操業を再開できるという。
 「世界の工場」と呼ばれる中国だが、賃上げを求めるストライキが相次いでいて、さらなるストライキの広がりと企業の生産への影響拡大が懸念されている。

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中国、広がるスト 「世界の工場」に異変
                       2010年6月20日 毎日
◇権利意識、若年層が主導
 低賃金で外資の生産を請け負ってきた「世界の工場」中国。しかし、今春以降、賃上げを求めるストや低い待遇を悲観した労働者の自殺が相次ぐ異変が起きている。改革・開放政策から30年。輸出依存の新興国型モデルからの脱皮を探る中国政府は19日、事実上の人民元切り上げ再開を表明。内需拡大に役立つ賃金上昇を容認する姿勢で「工場」は変容しようとしている。
 「仕事がきつく、生活も単調。きれいな服を着て、ゆったり暮らす都会の人がうらやましい」。北京で建設作業員として働く常〓さん(28)は14日、温家宝首相に出稼ぎ労働者の不満を訴えた。温首相が出稼ぎ労働者を慰問した背景には、最近の中国各地の工場での労働争議の頻発があるとみられている。
 自殺者が相次いだ台湾系電子機器工場やストが続発したホンダの部品工場は、5月下旬、基本給倍増を含む大幅な賃上げを発表。情報はインターネットなどで瞬く間に広まり、今月18日には、系列部品工場での賃上げを求めるストの影響でトヨタ自動車も天津市の車両工場の生産停止に追い込まれた。ホンダのスト直後、日本では「中国全土にストが広がる可能性がある」(東芝幹部)と懸念が漏れたが、現実となり、労働争議の波は沿海部から内陸部に広がっている。
 労働争議を主導するのは、経済の改革・開放が始まった70年代後半以降に生まれた世代。以前の世代より教育水準が高く、権利意識が高く、上海など大都会の華やかなイメージと、工場での低賃金・単純労働のギャップに対する不満は強い。また、一人っ子政策の影響で若年労働者層が従来よりも減っていることもスト続発の要因と指摘される。
 実際、ストが起きたホンダの部品工場がある広東省仏山市の今年1〜3月期の製造業求人倍率は10・62と、10人の求人に1人が応募するかどうかという状況。低賃金の豊富な労働力を誇ってきた中国社会の変化は鮮明だ。中国では、正式には官製労働組合しか認められておらず、労働者のスト権もない。ただ、国も国民意識や社会の変化は無視できず、一連のストは黙認されたとみられる。
 さらに、労働者の待遇改善は、中国政府が最重要課題に掲げる内需拡大や高付加価値産業育成を柱とする経済発展モデルへの転換にも必須だ。北京五輪や上海万博を開催し経済発展の初期段階を終えた中国は、低賃金で外資の生産を請け負う新興国型成長モデルからの脱皮を模索。来年からの次期5カ年計画に「所得倍増計画」を盛り込むことも検討している。地方でも、広東省のトップ、汪洋・同省共産党委書記(党政治局委員)が「低賃金と残業頼みの製造業の構造を変えなければならない」と力説するなど、経済先進国に向けた基盤作りを急いでいる。
 中国製造業の現場ルポで知られる米作家、アレクサンドラ・ハーニーさんは「労働者の収入の増加は内需主導型への経済転換を促す」と評価する。一方で、大幅な賃上げはインフレ懸念を高め、労働争議が過激化すれば、政府批判につながるリスクもある。展開次第では、中国政府も難しい対応を迫られる。【北京・浦松丈二】

 ◇日系企業、対応に苦慮 「既に多額投資…後引けない」「巨大市場、捨てられぬ」
 人件費の急上昇や労働争議多発を受けて、日本企業も対応を迫られている。一部には、中国依存の生産体制を見直す動きも出始めたが、自動車や電機にとっては急拡大する中国が業績を左右する「最重要の市場」(豊田章男トヨタ社長)。各社は「丁寧に労使交渉をしていくしかない」(ホンダ幹部)と話す。
 カジュアル衣料「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングは現在85%を占める中国での生産比率を引き下げることを検討。将来的に生産の3分の1以上をベトナムやバングラデシュなど賃金が安く、労働者も穏健な地域で賄う方針だ。
 一方、ホンダやソニーなど大手メーカーは、系列部品会社も含めた巨額投資で中国での一貫生産体制を築いてきただけに、他国に生産拠点を移すのは容易ではない。しかも、中国は09年の新車販売が1364万台と米国を抜き世界最大に成長。薄型テレビから冷蔵庫まで家電も世界最大級の消費地になりつつある。現地生産を維持・強化しなければ税制面で不利なほか「消費者ニーズを取り込めず、販売面で後れを取りかねない」(電機メーカー首脳)。このため、「中国での生産拡大路線は変えられない」と声をそろえる。
 台湾メーカーは「台湾回帰」を探っている。米アップルのiPadなどの生産を請け負う「富士康」。労働者の自殺が相次いだため、親会社「鴻海グループ」の郭台銘会長は8日、一部生産ラインを台湾に戻す計画を発表。馬英九総統も「台湾企業の回帰に備え、経済貿易特区を作るべきだ」と後押しする。
 ただ、台湾の一般的な工場労働者の基本給は、1万7280台湾ドル(約4万9000円)。賃上げ後も、富士康の従業員の基本給は2000元(約2万7000円)とほぼ半分で、「台湾回帰」は競争力を低下させかねない。【宮崎泰宏、浜中慎哉、台北・大谷麻由美】
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日産:中国の系列工場でスト
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経済ナビ:中国・ホンダ、スト沈静化で工場再開 他社波及、リスクはらみ
毎日新聞 2010年6月20日 東京朝刊



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石田ふたみ