2010年05月24日(月) |
宮崎県:10キロ圏内の13万頭を殺処分 |
口蹄疫について http://www.agri.pref.hokkaido.jp/kaho/koutei/kotei.htm 口蹄疫:殺処分対象の種牛49頭延命を要望へ 東国原知事 2010年5月22日 口蹄疫:スーパー種牛の感染疑い 畜産関係者に大きな衝撃 毎日新聞 2010年5月22日
口蹄疫ウイルスに感染した牛は治療方法がなく、感染の拡大を防ぐため殺処分するしかないのだ。日本では2000年3月12日、約92年ぶりに宮崎県宮崎市で口蹄疫の発生が見られた。また2010年4月20日に、宮崎県児湯郡で感染が確認され10キロ圏内牛殺処分頭数は計13万258頭(21日現在)となった。
宮崎県内の種牛は、日本の食肉を支えてきたので、ごそっとなくなる影響は計り知れない。素人の見解であるが、わずか10キロ圏内に13万頭もの牛の飼育をすること自体に問題があるような気がしてならない。 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― 口蹄疫について http://www.agri.pref.hokkaido.jp/kaho/koutei/kotei.htm 1 原因(病原体) 口蹄疫ウイルス(Picrnaviridae Aphthovirus) 2 感受性動物 牛、水牛、めん羊、山羊、豚、しか、いのしし 3 症状 突然40〜41℃の発熱、元気消失に陥ると同時に多量の流挺(よだれ)がみられ、口、蹄、乳頭等に水胞を形成し、食欲不振,は行(足をひきずる)を呈する。
4 発生状況 (1)国内 2000年(平成12年)宮崎県及び北海道で発生したが、清浄化を達成 (2)外国 イギリス、フランス、中華人民共和国、大韓民国、台湾、ロシア、アフリカ、中南米他 (発生国地図) 5 診断法 (1)血清学的検査により抗体の確認を行う。 (2)水胞材料からのウイルス分離を行う。 6 予防法 不活化ワクチンが用いられているが、現在は発症牛のとう汰による清浄化の推進が中心となりつつある。 7 治療法 (1) なし。 (2) 発生した場合は、家畜伝染病予防法に基づき、まん延防止のため家畜の所有者によると殺の対象となる。
―――――――――――――――――――――――――――――― 口蹄疫:殺処分対象の種牛49頭延命を要望へ 東国原知事 2010年5月22日 宮崎県の東国原英夫知事は22日、家畜伝染病の口蹄疫(こうていえき)で殺処分対象になっている県家畜改良事業団の高級牛ブランド「宮崎牛」の種牛49頭について、経過観察を条件に殺処分しないよう国に要望する意向を明らかにした。 同県西都市に特例的に避難させていたエース級6頭のうち「忠富士」に感染疑いが確認され、残り5頭の今後も不透明な状況。東国原知事は「県の種牛が一頭もいなくなっては被害が甚大。日本の畜産にとって壊滅的な打撃だ」としている。 これに対して山田正彦副農相は「大臣(赤松広隆農相)と相談するが、特例を認めていいとは思っていない」と否定的な考えを示した。 県によると、現在、種牛49頭には口蹄疫の症状はないという。【石田宗久】 【関連記事】 【関連記事】口蹄疫:スーパー種牛の感染疑い 畜産関係者に大きな衝撃 【関連記事】口蹄疫:感染疑いのスーパー種牛の「忠富士」 殺処分に 【関連記事】口蹄疫:種牛「忠富士」感染 隔離「遅すぎた」 残る5頭、県「厳しい」 口蹄疫:未感染の20万頭対象、ワクチン接種開始 スーパー種牛、処分に衝撃 ことば:忠富士 【写真で見る】口蹄疫、感染拡大が深刻化 口蹄疫:種牛避難で知事「離島へ分散も」 /鹿児島 ―――――――――――――――――――――――――――――――――
口蹄疫:スーパー種牛の感染疑い 畜産関係者に大きな衝撃 毎日新聞 2010年5月22日 口蹄疫(こうていえき)感染は「宮崎の宝」にまで及んだ。感染の疑いが強い「忠富士(ただふじ)」は、感染発生地から離れた畜舎に隔離されていたエース級6頭の種牛の中でもトップ。宮崎からは各地のブランド和牛になる子牛を供給していただけに、他の5頭も感染していれば、全国の畜産業界に大きな影響を与える。県内外の畜産関係者は衝撃に言葉を失った。 「宮崎ブランドの中心をなす種牛を失い、誠に残念」。22日未明、宮崎県庁で記者会見した県農政水産部幹部は、落胆の色を隠せなかった。 忠富士の遺伝子検査で陽性反応が出た20日、高島俊一・同部長は「間違いであってほしい」とよく眠れなかったという。しかし、21日には動物衛生研究所の再検査で「疑い」の判定が出た。 6頭は、県内で人工授精に使われる冷凍精子の9割を占め、口蹄疫から宮崎ブランドを立て直していく最後のとりでだった。中でも忠富士はその4分の1を供給する「スーパー種牛」だった。 6頭は国の特例で13日、それまでいた同県高鍋町の県家畜改良事業団から北西に約24キロ離れた同県西都市の標高約700メートルの簡易牛舎に移された。周囲5キロに畜産農家はない。牛舎は2メートル四方の部屋が七つあり、それぞれ高さ3メートルの木板で仕切られ、接触はなかった。神経質だった忠富士は、残りの5頭とは1部屋を置き一番北側の部屋で飼われていた。1頭に1人ずつ世話人が付き、観察を続けていたという。 県は、事業団からの移動時期が遅れたことが致命的だったとみている。「事業団にいる時に感染した可能性が高く、結果として移動の時期が遅すぎた」。農政部水産部幹部は認めざるを得なかった。 せめてもの救いは他の5頭によだれなどの口蹄疫特有の症状がなく、20日採取の遺伝子検査でも陰性で、さらに1週間経過観察を続けることを国が了承したことだ。しかし、同部の押川延夫次長は5頭の感染について「厳しいとは思う」と表情を曇らせた。 種牛を育てるには通常、約7年かかるといわれる。県によると、冷凍精子のストックは1年分はあるが、「その次の年からは供給できない。(他の5頭感染なら)宮崎の畜産は壊滅だ。30〜40年かけて築いてきた財産が水泡に帰す」(押川次長)という。【古田健治】 ◇「だめじゃないか」と宮崎県に抗議電話 宮崎県で生まれた肉用牛は各地のブランド和牛の「素牛(もとうし)」として全国に出荷されている。 佐賀県畜産課によると、同県の肥育農家約280戸が出荷する肉牛の14%が元は宮崎県産。そのうち数割が高級牛「佐賀牛」になる。種牛に感染が広がったことを受け、同課の担当者は「子牛の仕入れ先は鹿児島をトップに南九州が中心。壊滅的とまではいかないが影響が出るのは必至。これ以上広がらないことを願うばかり」と話した。 宮崎県畜産課には早朝から、避難させた種牛の感染について「だめじゃないか」などと、県の管理の甘さへの抗議の電話がかかっているという。 宮崎県内の種牛の選抜に詳しい原田宏・宮崎大副学長(家畜育種学)は「候補の精子で試験種付けをして1年後に子牛が生まれ、さらに1年間育てないとその肉質を調べることができない。質が良ければ種牛になるが、相当な時間がかかる。鹿児島や北海道と共に日本の食肉を支えてきた宮崎の牛がごそっとなくなる影響は計り知れない」と指摘する。
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