『日々の映像』

2009年11月07日(土) 地方の雇用環境ますます悪化



1、9月景気「回復局面入り」確認 基調判断を上方修正
                 2009年11月7日  日経
2、社説:連合 非正規労働の改善こそ
                毎日新聞 2009年11月4日
3、パート労働者:解雇、1カ月で242人増 厚労省調査
                 毎日新聞 2009年10月30日
4、9月失業率:5.3%に改善 求人倍率は0.43倍
                  毎日新聞 2009年11月4日

 報道1に9月景気「回復局面入り」確認とあるが、これはデータ上のことで、雇用条件はますます悪化することは必至と認識する必要がある。その主な理由は次の通りである。

1、9月の就業者数は前年同月比で98万人減の6295万人。
 
 補足・・96万人中で仕事がないからと求職活動をあきらめて人もいるだろう

2、完全失業者数は前年同月比92万人増の363万人で11カ月連続で増えた。

3、雇用調整助成金は、申請事業所数が前月から1060カ所増え8万982事業所になった。対象従業員は199万4383人。

 補足・・雇用調整助成金がなかったら約200万人の失業者が出る背景にある。厳しい言い方をすれば日本は失業者363万人と企業内失業者が200万人いることになる雇用調整助成金の』期間が切れると解雇が増える危険性がある。

4、求人倍率は0.43倍で回復の見通しがない

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1、9月景気「回復局面入り」確認 基調判断を上方修正
                 2009年11月7日  日経
 内閣府は6日発表した9月の景気動向指数で、景気の基調判断を上向きに見直し、景気が回復局面にあると表明した。生産や輸出の持ち直しなどによって、足元の景気の状況を示す一致指数が改善し続けているためだ。ただ雇用や所得環境は好転しておらず、回復の実感は乏しい。現在の景気回復は「戦後最短」で終わるとの見方もある。
 企業の生産や出荷などを表す各指標が改善していることを背景に、一致指数(2005年=100)は前月より1.3ポイント高い92.5。3月から6カ月連続で上昇した。これを受けて内閣府は、景気の基調判断を前月までの「下げ止まり」から「上方への局面変化」に引き上げた。4カ月ぶりの上方修正となる。
 内閣府の定義によると、景気は悪化→下げ止まり→局面変化→改善といったルートをたどる。「局面変化」は景気の山・谷が数カ月前にあった可能性が高いことを示す。今回の「上方への局面変化」は数カ月前の「谷」のあと景気が上昇に転じたことを意味する。(01:11)

2、社説:連合 非正規労働の改善こそ
毎日新聞 2009年11月4日
 連合は来年の春闘で初めて組合員以外の非正規雇用労働者に対しても処遇改善などの課題に取り組む方針を決めた。連合が結成されて20年、今年は総選挙で全面的に支援した民主党が政権を取り、政策決定に直接影響力を発揮できる立場となった。組合員の既得権を守るだけでなく、全労働者の3分の1を占めるパートや派遣など非正規雇用労働者の処遇改善に取り組むのは当然である。連合が労働者全体の利益のために責任を果たそうとする組織へと脱皮できるかどうかが問われている。
 失業率は2カ月続けて改善を見せているが、雇用情勢は相変わらず厳しい。政府は年末に向けての緊急雇用対策を発表したが、新たな財源措置はなく、麻生政権の雇用対策の運用改善にとどまるのが実情だ。雇用調整助成金を受けている人は現在約250万人に上るが、年明けから支給期限が切れる人が続出し、新たな雇用創出をしなければ大量の失業者が出る恐れがある。このため大企業はベースアップ(ベア)を求めず賃金水準を維持することを春闘の基本的考え方とした。連合傘下の組合員の8割が働いている中小企業ではベアを求めるが、そうしなければ景況感の改善が見られない中小企業の労働者の賃金水準や雇用自体を維持できないとの危機感があるためだ。
 非正規雇用労働者に関する具体的取り組みとしては、「正規労働者との均等・均衡処遇の実現」「社会保険・労働保険を含む処遇に関する労使協議の徹底」を挙げる。どの企業でどのくらいの非正規雇用労働者が働いているのか労使とも基本的なデータがないのが実情で、雇用契約のない人に関する労使交渉ができるのかどうかも議論が分かれる。しかし、連合は「既存組合が労使交渉のテーブルに載せなければ解決の緒に就かない」との強い意志を示し、労使交渉を拒否した企業名を公表することも検討している。
 労組に入っている人は雇用労働者の18・1%に過ぎず、連合も発足当初の800万人から現在は675万人にまで減った。自民党の小泉政権下では経済財政諮問会議などで経営側の意向が政策決定に強く反映されるようになり、連合の存在意義は低下していくばかりだった。民主党政権の誕生と時を同じくして新会長に就任した古賀伸明氏は「18%の利益を追求するのではなく、働く者全体の幸せをどう追求するかで国民の共感を呼ぶかどうかが決まる」と話す。正社員、大企業、官公労の意見を代弁する組織から、すべての労働者の声を反映する組織を目指すというのである。春闘も業種別の闘争よりも、働き方ごとの取り組みへ変わる必要があるのではないか。
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3、パート労働者:解雇、1カ月で2421人増 厚労省調査
                    毎日新聞 2009年10月30日
 厚生労働省は30日、昨年10月から今年12月までに職を失ったか、失うことが決まっている派遣などの非正規雇用労働者が24万4308人(10月21日時点)に上るとする調査結果を公表した。前月調査時より5556人増えた。
 内訳は▽派遣労働者58.6%▽期間労働者22.8%▽請負労働者7.8%▽パート労働者10.8%。このうちパート労働者は、解雇が1万7162人で、前月比2421人増と突出して増えた。雇用調整の主な対象が派遣などから直接雇用のパートに移ってきていることが、いっそうはっきりした。
 一方、従業員を休業させた際に休業補償の助成が受けられる雇用調整助成金は、申請事業所数が前月から1060カ所増え8万982事業所になった。対象従業員は逆に11万6458人減の199万4383人。対象者が200万人を切ったのは7カ月ぶり。厚労省職業安定局は「大企業や中堅企業の申請が減り、引き続き経営が厳しい状況にある中小・零細企業の申請が増えた」と分析している。【東海林智】
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4、9月失業率:5.3%に改善 求人倍率は0.43倍
毎日新聞 2009年11月4日
 総務省が30日公表した労働力調査(速報値)によると、9月の完全失業率(季節調整値)は5.3%で、前月より0.2ポイント改善した。失業率が下がったのは2カ月連続で、過去最悪だった7月の5.7%より0.4ポイント改善した。一方、厚生労働省が発表した有効求人倍率は0.43倍で、過去最低だった8月を0.01ポイント上回った。有効求人倍率が改善したのは07年5月以来、2年4カ月ぶり。【塙和也】
 米欧などでの景気テコ入れの効果で、製造業の海外需要が回復し始めており、雇用も持ち直してきたことが改善した要因とみられる。ただ、世界的な経済不況が発生した昨年秋以前に比べると失業率、求人倍率とも依然として最悪の水準にある。
 長妻昭厚労相は同日の記者会見で「全体の流れは依然厳しいという状況は変わっていない。厳しさに対する現状認識を変えることもない」と述べた。
 9月の就業者数は前年同月比で98万人減の6295万人。完全失業者数は同92万人増の363万人で11カ月連続で増えた。離職者の理由別では、「自己都合」が114万人。リストラや倒産などによる「勤め先の都合」が113万人だった。
 失業率を男女別に見ると、男性は0.2ポイント改善の5.6%、女性は0.1ポイント改善して4.9%だった。
 その一方で、若年層の完全失業率(原数値)は15〜24歳で9.8%、25〜34歳で7.3%と高い水準を続けている。特に15〜24歳男性の失業率は11.1%と各年代別で唯一、10%台を超えた。
 今後について同省職業安定局は「依然として厳しい状況が続くと懸念している。(改善が続くかの)判断にはもう少し時間がかかる」としている。
 また、9月登録分の求人・求職者でみた新規求人倍率(季節調整値)は0.79倍で前月比0.03ポイント上昇した。有効求人倍率が最も高かった県は香川県の0.62倍。最も低かったのは沖縄県の0.27倍だった。
毎日新聞 2009年11月4日

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石田ふたみ