2009年07月15日(水) |
時のうねりは政権交替か |
報 道
1、「自民支配終わりも」 衆院解散巡る合意、各国で速報 2009年7月14日 日経 2、首相、解散断行へ日程譲歩 衆院選、8月30日投開票 2009年7月14日 日経 3、社説:8・30総選挙―ずいぶん待たされました 2009年7月14日 朝日 4、社説:8・30総選挙 やっと選択の日が来る 2009年7月14日 毎日
時のうねりは政権交替に向けて動いている。各国の報道は次の通り自民支配の終わりを当然のことのように報道している。
1、仏ルモンド紙(電子版)は「与党が敗北すれば半世紀にわたる自民党の支配が終わるとともに、議会の機能停止も解消するだろう」
2、米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)も「景気後退からの脱却を狙う日本としてはねじれ国会が解消され、膠着(こうちゃく)状態から抜け出すチャンスが生まれる」と分析した。
3、英フィナンシャル・タイムズ(電子版)は「アジアで最も豊かな民主主義国家における二大政党システムの夜明けになるだろう」と。
自民党は自分たちが選んだ総理総裁である。土壇場になって「麻生降ろし」の動きが強めるのは見方によっては滑稽である。麻生総裁の下で選挙ができないというのであれば、直ちに新党を結成して選挙に臨むべきである。
先送りの果てに、首相がようやく決断した投票日は8月30日である。衆院議員の任期が9月10日であるので、事実上の任期満了選挙である。 有権者にとっては、待ちに待った政権選択の機会がやっと来たのである。民主有利の状況が果たして続くのか、これからの各党の一挙一動に国民の厳しい目が注がれることになる。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 1、「自民支配終わりも」 衆院解散巡る合意、各国で速報 2009年7月14日 日経 政府・与党が13日午後、衆院解散・総選挙に踏み切ることで合意したとのニュースは、景気後退にあえぐ日本経済の将来をも占う重要な選挙になると世界も注目、各国で速報された。 仏ルモンド紙(電子版)は「与党が敗北すれば半世紀にわたる自民党の支配が終わるとともに、議会の機能停止も解消するだろう」と解説。米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)も「景気後退からの脱却を狙う日本としてはねじれ国会が解消され、膠着(こうちゃく)状態から抜け出すチャンスが生まれる」と分析した。 一方、英フィナンシャル・タイムズ(電子版)は「アジアで最も豊かな民主主義国家における二大政党システムの夜明けになるだろう」としたうえで、「だが民主党の政策も不透明で財源もあいまい」と指摘した。 (00:03)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2、首相、解散断行へ日程譲歩 衆院選、8月30日投開票 2009年7月14日 日経 麻生太郎首相は次期衆院選の時期について7月21日にも衆院を解散し、投開票を8月30日とすることを決めた。東京都議選の自民党惨敗を踏まえ、与党内で態勢立て直しのため衆院解散・総選挙の先送り論が強まったことに配慮した格好だ。自民党内の「麻生降ろし」の動きや野党の不信任決議案提出などの波乱要素を早めに摘む狙いもあるが、自らの手での解散にこだわった首相の苦戦覚悟の決断という面は否めない。 首相は「都議選直後の解散、8月上旬の衆院選投開票」を念頭に解散時期を探ってきた。都議選惨敗の大勢が判明した12日夜も複数の自民党幹部に電話し「自分の手で近々解散したい」と重ねて伝え、早期解散に向けてぶれない姿勢をにじませていた。(13日 16:00)
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3、社説:8・30総選挙―ずいぶん待たされました 2009年7月14日 朝日 来週早々に衆院を解散し、国民に信を問いたい。投票日は8月30日としたい。麻生首相が与党執行部にこんな総選挙日程を示し、了承された。 たび重なる先送りの果てに、首相がようやく決断した日程は9月10日の衆院議員の任期切れの間際となった。事実上の任期満了選挙である。 思えば昨年9月、福田前首相のあとを引き継いだ麻生氏は「私は逃げない」と、就任直後の解散を思い描いていた。それがここまでずれ込むとは、夢にも思わなかっただろう。 最大の誤算が世界同時不況の到来だったことは間違いない。だが、その対応に追われる一方で、この10カ月、首相自身の政策判断の迷走や失言、閣僚らの不祥事が相次いだ。 もう少し待てば、選挙で勝てる見通しが開けるかもしれない。そんな期待と、政権から自民党が滑り落ちることへの恐怖。この二つに翻弄(ほんろう)された10カ月でもあった。結局、就任直後の内閣支持率が最も高かったというのは皮肉と言うよりない。 今回の決断にしても、首相にとってのベストにはほど遠い。党役員人事の頓挫、静岡県知事選の敗北、東京都議選の歴史的大敗と失点が続いた。 視野に置いていた8月初旬の選挙には与党内の理解が得られず、かといって時機を待てば「麻生おろし」の強風に倒されかねない。そんな不安にかられての窮余の策だったのではないか。 首相の指導力がこんなにも弱々しいものになってしまった理由は、はっきりしている。 参院選で野党に多数を奪われて以来のこの2年間で、安倍、福田と2代続けて首相が政権を放り出した。その後の麻生氏が何よりも優先すべきは、総選挙で民意を問うことだった。 そこから目をそむけたままでは、いずれ政権運営が立ち行かなくなるのは当然のことだった。 与党執行部の了承を得たものの、この日程で自民党内の「麻生おろし」が鎮まるかどうかは定かでない。だが、総裁選を前倒しし、「選挙の顔」を取りかえたところで、有権者の評価ががらりと変わるはずもない。2年で4人目の首相というのは無節操に過ぎる。 ここは冷静に、腹をくくって政策で勝負するしかないのだ。 民主党も浮かれてはいられない。 これまで一度も政権を担当したことがないのだから、政権交代が現実味を帯びれば帯びるほど不安を覚える有権者は増えてくる。政策ばかりでなく、それを実行するための具体的な政権運営の仕組み、姿を説得力ある形で示さねばならない。 有権者にとっては、待ちに待った政権選択の機会がやっと見えてきた。これからの各党の一挙一動に目を凝らし、しっかりと吟味していきたい。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
4、社説:8・30総選挙 やっと選択の日が来る 2009年7月14日 毎日 政権交代か、政権維持かを問う次期衆院選の日程が「8月18日公示、同30日投開票」とようやく決まった。今月21日にも衆院は解散される。遅きに失したとはいえ、政治決戦=政権選択の日程が決定したのは歓迎したい。だが、これを麻生太郎首相が国民に信を問うため自ら決断した日程とは到底いえない。ともかく総選挙を先送りしたい与党側に押し切られたというのが実情だろう。 麻生首相は12日の東京都議選直後に衆院を解散し、8月上旬の投開票を狙っていたはずだ。衆院議員の任期満了が9月10日に迫り、首相が主導権を持って解散した形とするには、それが最後のチャンスだったからだ。しかし、都議選は自民党が大敗。公明党も含め、「今、総選挙をすれば敗北は必至」と先送り論が拡大し、首相はそれに配慮せざるを得なくなったと思われる。 自民党人事が不発に終わり、人事権を行使できなかったのに続き解散権も思い通りにならない麻生首相の苦しさを物語っている。また、決戦をできるだけ先送りしようとする与党の姿勢は自分の身を守ることだけを優先しているとみるほかない。 一方、首相は異例の「予告解散」をすることで「解散するのは自分」と宣言したかったのだろう。そこには自民党内に強まる「麻生降ろし」の動きを封じる狙いがある。ところが、驚くことにそれでもなお、「麻生降ろし」は消えないという。党内には解散前の首相交代や、首相は代えないまでも党総裁は交代し、新総裁が党の顔となって衆院選を戦い、与党が勝てば選挙後の指名選挙で首相になる−−という「総・総分離」論までささやかれているほどだ。 「国民に信を問う」といって解散した首相が選挙後には代わるというのはやはり邪道だ。表紙さえ替えれば国民の目をごまかせるかもしれないとばかりに何度もトップを代えてきた無責任さに国民は不信を募らせているのだ。麻生首相の下では戦えないというなら、自民党を離党し新党を結成した方がよほど国民の理解を得られるというものだ。 民主党など野党は13日、衆院に内閣不信任決議案を、参院に首相に対する問責決議案を提出した。既に長い選挙戦が事実上始まったといっていい。総選挙が8月末になったことで有権者が各党の政策をじっくり吟味できる利点はある。 各党はマニフェスト作りを急ぎ、早く提示すべきである。有権者の選択から逃げ続けてきた麻生首相と与党はもはや奇策に走らず、堂々と政策で争うことだ。民主党など野党も政権交代すればどう日本は変わるのか、より具体的なマニフェストを作ってもらいたい。
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