『日々の映像』

2008年07月01日(火)  2008年上半期の出来事

「事件は時代を映す鏡」という言葉がある。2008年上半期の社会に起った事件は何を語るのでしょう。私たちはそこから何を学習すればよいのでしょう。

2月にイージス艦と漁船が衝突し、漁船の親子二人が行方不明(死亡認定)となった。後に監視を怠ったとして当直士官二人が書類送検され、一件落着ハイ終わりでよいのだろうか。日本の安全を守るべき自衛官がこのようなずさんな安全管理では、プロ意識の堕落としか言いようが無い。

5月、食品表示偽装に続き、客の食べ残しの使い回しが発覚した老舗料亭「船場吉兆」が廃業に追い込まれた。実に記憶に残る腹立たしい事件であった。

6月、東京・秋葉原の歩行者天国にトラックで突っ込んだ派遣社員男(25)がナイフを振るい、7人を殺害、10人を負傷させた。この半年間の中で、社会的な影響を与えた事件の中では最大であろう。

 秋葉原の両殺傷事件の容疑者は、「誰でもよかった」と供述している。この「誰でもいい」という言葉は衝撃的である。人はこれほど簡単に自らを破滅させ、他者の未来まで奪えるものなのだろうか。一体、何をどう理解すればよいのでしょう。

 グローバル化や自己責任という名の下に、ワーキングプア、新貧困層が増え、格差の拡大が続いている。年間自殺者が10年連続で3万人を超したのも日本の社会の生き辛さの表れといわねばならない。社会のシステムの根本を見直す必要があると思う。
 




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石田ふたみ