『日々の映像』

2008年06月27日(金)  日本の自動車産業の追い風

 日米自動車戦争は、日本の圧倒的な勝利の絵巻が繰り広げられ、日本車合計のシェアは初めて4割を超えたのである。
「2007年にトヨタ自動車が米ゼネラル・モーターズ(GM)を抜いて生産台数で世界一になることがほぼ確実だ。ホンダについても、北米市場で米フォード・モーターが例年並みのシェア低下を繰り返せば、年内か2008年にはホンダがフォードを追い抜くことになる。日本車勢の好調は、単に石油価格の高騰や小型車ブームに押されたわけではなく、生産性、品質のみならず技術開発などモノづくりのすべての結果である。」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070123/117495/から

 反面景気減速とガソリン高騰のあおりで、大型車が販売主体の米ゼネラル・モーターズ(GM)は27.6%の大幅減となっている。反面トヨタ自動車が前年同月比3.2%増の72万3462台で、5月では過去最高を記録している。

歴史は「皮肉に微笑む」という言葉を良く使うことがあった。その代表が昭和26年の朝鮮戦争で、北朝鮮のお陰で戦後の日本の産業は生き返ったのである。
原油の高騰はアメリカの石油メッジャーと同国の投資資金が作りあげたと言っても過言でないだろう。原油の高騰は皮肉にもアメリカの自動車産業を破壊するほどの影響があるだろう。

アメリカのガソリンは、原油が20ドル前後の時はリッター45円から50円であった。全米平均のガソリン小売価格が1ガロン4ドル(1リットル約110円)に近づき、燃費性能が比較的低いアメリカ車の販売が大幅に減少しているのだ。原油の高騰は皮肉にも日本の自動車産業の追い風になっている。歴史は「皮肉な微笑」を浮かべているように思う。

5月米新車販売、GMシェア20%割れ トヨタが肉薄
                     2008年6月27日 日経
自動車メーカー:6社の世界生産、前年同月比で増 5月
                     2008年6月26日 毎日新聞
日産、北米向け輸出3.4倍 5月の前年比
                     2008年6月26日朝日新聞
資料・自動車産業に「8つのシフト」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20070123/117495/


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5月米新車販売、GMシェア20%割れ トヨタが肉薄
                       2008年6月27日 日経
 【ニューヨーク=小高航】3日まとまった5月の米新車販売台数は前年同月比10.7%減の139万6965台と、7カ月連続で前年実績を下回った。景気減速とガソリン高騰のあおりで、大型車が販売主体の米ゼネラル・モーターズ(GM)は27.6%の大幅減、シェアは19.1%と1920年代以降初めて2割を割った。トヨタ自動車が約9000台差でGMに肉薄し、日本車合計のシェアは初めて4割を超えた。
 米調査会社オートデータによると、営業日数の差を調整した販売台数の減少幅は4月に続き14.0%減と不振が続いている。全米平均のガソリン小売価格が1ガロン4ドル(1リットル約110円)に近づき、燃費性能が比較的低い小型トラックの販売が23.6%と大幅に減った。半面、乗用車は2.4%増と、消費者が維持費軽減のために小型車に乗り換える構図が鮮明になっている。 (09:42)
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自動車メーカー:6社の世界生産、前年同月比で増 5月
                     毎日新聞 2008年6月26日
 国内自動車メーカー8社が26日発表した5月の生産・販売・輸出実績は、世界生産がホンダと三菱自動車を除く6社で前年同月を上回った。新興国向け販売が引き続き好調だったことが主な要因。
 世界生産は、トヨタ自動車が前年同月比3.2%増の72万3462台で、5月では過去最高だった。中国での販売が同3割増など、アジアでの販売増がけん引した。マツダの世界生産も同14.2%増で、ロシアを含む欧州向けが好調だった。
 一方、国内販売は、スズキとダイハツを除く6社が前年割れ。原油高などの影響で、燃費の良い軽自動車や小型車を除くと不振が目立った。北米販売も厳しく、トヨタの米国での販売台数は同4.3%減。レジャーなどに使うピックアップトラックの「タンドラ」が同31%減で、大型車の落ち込みが激しかった。【宮島寛】
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日産、北米向け輸出3.4倍 5月の前年比
2008年6月26日 朝日新聞
 乗用車メーカー8社が26日発表した5月の生産・輸出実績によると、国内生産はホンダを除く7社が前年同月と比べて増えた。国内販売は伸び悩んだが、堅調な輸出に支えられた。
 日産自動車の国内生産は40.3%増の約10万台と、10カ月連続でプラス。九州工場で生産するスポーツ用多目的車(SUV)「ローグ」が米国で売れており、北米向け輸出が3.4倍の約2万4千台と大幅に増えた。主に大型車が中心の米国内での生産は26.1%減だった。
 トヨタ自動車の輸出は1.2%増の約20万6千台で、5月としては過去最高を更新した。販売不振が続く米国向けは10.7%減と大きく落ち込んだが、アジア向けが33%増、オセアニア向けは46%増と好調だった。国内生産も2.7%増の約33万2千台と、2カ月連続で前年水準を上回った。
 ホンダは軽自動車販売が落ち込み、国内生産が12.2%減の9万2千台と、9カ月連続のマイナス。アジアでの生産は伸びており、海外生産は0.4%増と34カ月続けてプラスだった。








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石田ふたみ