『日々の映像』

2008年05月11日(日)  GMの4兆円の赤字とトヨタの存在感

 
トヨタの2008年3月期連結決算に眼を通してみよう。
売り上  26兆2892億円
営業利益 2兆2703億円  1.4%増
当期利益 1兆7178億円  4.5%増
と過去最高を更新している。日本が世界の誇る巨大企業である。

 過去の栄光に輝くGMは大変な状況に追い込まれている。米ゼネラル・モーターズ(GM)は、2007年度通期決算の最終赤字が387億ドル(約4兆1千億円)に達したと発表している。これは米自動車会社としては、史上最大の通期最終赤字を計上したことになる。

 GMは同日、全米自動車労組(UAW)加盟の工場従業員7万4千人全員を対象に早期退職推奨を実施するとしている。昨秋のUAWとの労使合意による最大1万6千人の従業員を低賃金の新規採用者と入れ替える内容なのだ。高い賃金の従業員を切り捨てて、安い従業員に入れ替える・・・果たしてこれで企業が活性化するのか大いに疑問を感じる。

トヨタ08年3月期は最高益 09年は大幅減益見通し
2008年05月08日
ビッグ3のシェア過去最低 4月の米新車販売、低迷深刻
2008年05月02日日経
GM 、米自動車業界史上最大の最終赤字計上
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080213/16443.html

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トヨタ08年3月期は最高益 09年は大幅減益見通し
2008年05月08日
 トヨタ自動車が8日発表した08年3月期連結決算(米国会計基準)は、売上高が前期比9.8%増の26兆2892億円、本業のもうけを示す営業利益が1.4%増の2兆2703億円、当期利益が4.5%増の1兆7178億円と、いずれも過去最高を更新した。
 同時に発表した09年3月期の連結業績予想は、売上高が4・9%減の25兆円と減収を見込み、営業利益も29.5%減の1兆6千億円、当期利益も27.2%減の1兆2500億円と大幅減益になる見通し。円高ドル安と原材料高で成長路線に急ブレーキがかかるためで、9期ぶりの営業減益、7期ぶりの当期減益となる。
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ビッグ3のシェア過去最低 4月の米新車販売、低迷深刻
2008年05月02日日経
 【ニューヨーク=丸石伸一】自動車大手が1日発表した4月の米国での新車販売台数は、サブプライム問題をきっかけにした個人消費の急減速を反映して軒並み前年同月の実績を下回った。なかでも米ビッグ3は前年同月比20%前後の落ち込みで、3社合計のシェア(各社傘下の欧州ブランド車などを除く)は過去最低の47.5%を記録した。
ビッグ3のシェア50%割れは史上4度目。販売台数はゼネラル・モーターズ(GM)が10カ月ぶり、フォード・モーターが1年3カ月ぶり、クライスラーが1年9カ月ぶりの大幅減。「買い控え」(大手の販売担当者)で、高級車の販売減も目立つという。ガソリン代の過去最高値更新が続いたため、燃費の悪い大型乗用車や小型トラックの販売が振るわず、日本メーカーよりも大型車の比重が高いビッグ3の苦境がより際立った。
 米調査会社オートデータによると、ビッグ3の合計シェアは前年同月より5.7ポイント低く、従来の最低記録48.1%(07年7月)を下回った。業界全体の4月の販売台数は124万台で、営業日換算した前年同月比は14%減。業界では当初、年間販売台数は前年をやや下回る1600万台程度との予想もあったが、最近では1500万台を割り込むとの見方が増えている。

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GM 、米自動車業界史上最大の最終赤字計上
http://jp.ibtimes.com/article/biznews/080213/16443.html

米ゼネラル・モーターズ(GM)は12日、2007年度通期決算の最終赤字が387億ドル(約4兆1千億円)に達したと発表し、米自動車会社としては史上最大の通期最終赤字を計上したことを明らかにした。
 一時課税、一時費用を除けば、GMの2007年度損益は2,300万ドル、一株損益4セントとなった。なお、2006年度は純利益22億ドルとなっていた。またトムソンファイナンシャルアナリストらの予測平均である一株損益95セントははるかに下回る損益となった。 

 GMの2007年度売上高は1,810億ドルとなり、前年度の2,060億ドルから減少を示した。なお、自動車事業での2007年度売上高は新興市場での売上高の成長、ドル安が影響して1,780億ドルとなり過去最高となった。

 またGMは同日、全米自動車労組(UAW)加盟の工場従業員7万4千人全員を対象に早期退職推奨を実施すると発表し、昨秋のUAWとの労使合意による最大1万6千人の従業員を低賃金の新規採用者と入れ替える方針も明らかにした。

 2007年度最終赤字は1992年度の最終赤字234億ドルをはるかに上回る額となった。GM会長兼CEOのリック・ワゴナー氏はそれでも2007年度に同社が著しい成長を遂げ、北米でのコスト削減、労組との交渉での合意、南米・アジア市場で著しい成長を遂げていることを強調した。

 また同社CFOのFritz Henderson氏は、2008年度はGMにとって成長困難な年になる見込みであるが、2010年、2011年には著しい収益増大が生じる潜在力があると話した。同社は人件費の削減、早期退職勧奨などによって収益回復を目指している。

 GMは今後のリストラ人数は具体的には明らかにしなかったが、UAWとの労使合意で1万6千人まで同社従業員を低賃金の新規採用者を入れ替えることができるようになっている。
 
 GMは7-9月期に収益見通しの悪化から、税効果会計に基づいて計上してきた繰り延べ税金資産の取り崩しを行い、387億ドルの一時損失を計上していた。第4四半期ではGMの損失額は7億2,200万ドル、一株損益1.28ドルとなった。なお前年同期の純利益は9億5千万ドルであった。

  GMは北米市場以外では堅調な収益をあげている。南米、中東、アフリカ地域では13億ドルの記録的な収益を計上し、前年比で収益は倍増を示している。またGMアジア・パシフィック部門での収益も7億4,400万ドルとなり、前年度の4億300万ドルから上昇を示した。しかしながら北米市場では2007年度に15億ドルの損失を計上した。

 ワゴナー会長は米経済の低迷や燃料費の上昇が北米市場の低迷の原因となっているが、北米市場での再建は予定通りに進んでいることも明白に述べた。

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石田ふたみ