2008年02月12日(火) |
生活苦の父子家庭増加 |
離婚が多いのだから父子家庭も当然増加する。2005年の国勢調査によると、父子世帯(祖父母などとの同居は含まない)は、9万2285世帯であるという。父子家庭は母子家庭に比べ経済的に恵まれているという前提で、父子家庭より支援策にはこれまで偏りがあった。
しかし、最近は「非正規雇用の増加など男性の労働事情が変化し、生活に困る父子家庭も目立ってきた」(読売から)という。 母子家庭は 1、子育てと生活支援 2、自立支援給付金などの就業支援 3、養育費の確保 4、児童扶養手当などの経済的支援 などが得られる
このうち父子家庭も対象となるのは〈1〉と〈3〉だけである。子育て期にあたる30代の男性が残業できないと言えば、正規雇用のチャンスは限りなく低くなる。詳しくは新聞記事に送るが、父子家庭に対するなんらの支援が必要ではないかと思う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 生活苦の父子家庭増加 「残業困難」で正規雇用されず 2008年1月30日 読売新聞 男性の収入は一般に女性より高いのだから、父子家庭は母子家庭に比べ経済的に恵まれている――。そうした根拠により、父子家庭への支援策にはこれまで偏りがあった。しかし、非正規雇用の増加など男性の労働事情が変化し、生活に困る父子家庭も目立ってきた。独自の経済支援を行う自治体も出てきたが、実態に即したきめ細かな支援が求められている。(小坂佳子)
◆児童扶養手当の対象外 夕方6時40分ごろ。埼玉県の保育園に、5歳の長男を父親(35)が迎えに来た。2006年秋に離婚、今は長男と2人暮らしだ。 以前勤めていた会社では、月に40〜60時間の残業があった。保育園のお迎えに支障がないようにと退職。その後の転職先も、「残業ができない」と明かすと「仕事を任せられない」と言われ、3か月で辞めざるを得なかった。 職探しを続けたが、「『残業なし』を条件にすると鼻で笑われることもあり、面接さえ受けられない」と肩を落とす。現在は派遣社員として働いているが、月収は正社員時代より5〜7万円減って、20万円を下回る。子どもの病気で休めばさらに減ってしまう。家賃の安い部屋に引っ越し、保育料も所得に応じて減額されたため、生活はなんとか維持できているが、「派遣の契約更新は3か月ごと。子どもの教育費などを考えると、正社員で働ける場を見つけたい。残業が当たり前の雇用環境に疑問を感じる」と話す。 2005年の国勢調査によると、父子世帯(祖父母などとの同居は含まない)は9万2285で、2000年の8万7373から増加した。 国は母子家庭を対象に〈1〉子育てと生活支援〈2〉自立支援給付金などの就業支援〈3〉養育費の確保〈4〉児童扶養手当などの経済的支援を行っているが、このうち父子家庭も対象となるのは〈1〉と〈3〉だけ。厚生労働省家庭福祉課では、「父子家庭は母子家庭に比べ経済的に豊かであり、経済的支援よりも家事、育児支援が求められている」と説明する。 甲府市の佐野臣功さん(33)は保育園に通う娘と2人暮らし。父子家庭になった数年前、「市役所でひとり親家庭向けの冊子を見て、父子への支援が少ないことにがく然とした」と話す。特に、児童扶養手当が父子家庭を対象としていないと知り、驚いたという。 男性でも派遣労働などの非正規雇用が増えており、夫婦共働きで何とか生計を支えている家庭も多い。離婚や死別でひとり親家庭になった場合、男女に関係なく経済的な厳しさは深刻化する。特に、子育て期にあたる30代男性の就業時間は長く、4人に1人が週60時間以上の長時間労働をしている。長時間労働を続けようとすると保育費がかさみ、残業のない派遣労働やパート労働に代わると収入が減ってしまう。 そこで、父子家庭に対し独自の経済支援をする自治体も出てきている。佐野さんは、昨年、「山梨県父子家庭の会」を結成し、行政の支援を働きかけた。山梨県議会と甲府市議会で請願が採択され、市では3月議会までに支援策を検討することになった。 「国の政策が変わらないなら、せめて自治体で支援を充実させてほしい」と佐野さんは訴えている。 (2008年1月30日 読売新聞)
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