『日々の映像』

2007年12月30日(日)  派遣労働者:06年度は最多の321万人

 トヨタを批判するメディアは無いようだ。年間1千億円以上の広告費を払う大スポンサーであるので、新聞・雑誌・テレビを代表するマスコミがトヨタを批判することはない。世界の超一流企業であるトヨタは、日本の企業のリーダーとしての見本を示さなければならないと思う。雑誌にトヨタの特集が組まれるが、そのほとんどが賛嘆である。しかし、日々の映像では何回か批判的な記述をしてきた。
 
 その一つが全従業員に占める期間工・派遣社員の比率が30%を超えているのである。全トヨタ労働組合連合会(292組合、29万人)は2007年09月 に加盟各労組に対し、全従業員数に占める期間工や派遣社員など非正規社員の比率を30%未満に引き下げを促す目標を設定している。1兆円を越す利益を上げる企業が、派遣・期間工を9万人前後使っているのである。悲しい風景とはいえないだろうか。
290000人×0.3=87000人
 
 超一流企業のトヨタがこのような見本を示しているのだから、以下の企業はここで説明するまでもない。トヨタに日本を代表するトップ企業としての品格を求めたい。

 厚生労働省が12月28日公表した06年度労働者派遣事業報告で、派遣労働者として働いた人が過去最多の約321万人(前年度比26%増)に上ったことが分かったという。この凄まじさをメモしよう。
1999年度  100万人を超える。
2002年度  200万人を超える。
2006年度  320万人を超える。

政治がこの雇用問題を放任しておくことは、無責任であると思う。最もマスコミと同じく、スポンサー企業という同じ原則が支配しているのかもしれない。
-――――――――――――――――――――――――――――――――――
派遣労働者:06年度は最多の321万人 人件費圧縮映す
毎日新聞 2007年12月28日  
 厚生労働省が28日公表した06年度労働者派遣事業報告で、派遣労働者として働いた人が過去最多の約321万人(前年度比26%増)に上ったことが分かった。また、派遣料金が上がっても労働者の賃金は下がる傾向にある。日雇い派遣労働者などの不安定な雇用のあり方が社会問題化する中、企業が人件費圧縮などのため派遣労働者を積極的に使う現状が浮き彫りになった。
 報告は労働者派遣を行った事業所の報告書をもとに集計した。派遣労働者は統計を取り始めた86年度以降増え続け、99年度には100万人を超えた。02年度には200万を超え、04年度にいったん減少したが、05年度から増加に転じ、06年度に初めて300万人を超えた。
 派遣を行う事業所数は事務や軽作業などの「一般派遣」が1万8028所(前年度比22.7%増)、通訳など専門職の「特定派遣」が2万3938所(同43.6%増)だった。派遣を受ける派遣先も約86万件(30.4%増)と広がった。
 労働者は、1年に近い長期の契約を継続している常用雇用労働者が64万5767人(同41.7%増)、日雇い派遣など期間が短い登録者が234万3967人(同21.2%増)、特定派遣の労働者が22万734人(同40.7%増)となり、いずれも大幅に増えた。
 派遣会社の年間売り上げは5兆4189億円(同34.3%増)となった。一方、一般派遣の料金は平均で前年度比2.1%増の1日1万5577円なのに対し、賃金は0.5%と微増の1万571円にとどまった。日雇い派遣が多い建築物清掃の仕事では、料金は2.6%増の1万1303円に対し、賃金は8.7%減の6995円に下がっている。
 労働者派遣法を巡っては不安定で低賃金の日雇い派遣労働の規制が検討されている。派遣労働者を組織する派遣ユニオンの関根秀一郎書記長は「特に日雇い派遣の多い分野で、派遣料金が上がり賃金が下がっている。会社が取るマージンの規制が必要だ」と話している。【東海林智】
毎日新聞 2007年12月28日  (最終更新時間 12月28日 )
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
非正社員の割合30%未満に 全トヨタ労連が目標策定
2007年09月 朝日新聞
連合によると、非正社員の拡大に歯止めをかけようと具体的な目標比率を掲げたのは大手製造業グループの労組で初めてといい、他産業にも波及しそうです。

傘下組合と一部経営側にはすでに正式に示しており、労使交渉を通じて、遅くとも10年までに目標を達成する方向で調整する見通しです。

全トヨタ労働組合労連などによると、生産台数の急伸を反映して、2007年5月時点の製造業系の傘下労組(約100組合)の非正社員比率は31.3%で、ほぼ半数が30%以上という。50%を超えるところも1割弱あるといいます。

非正社員の増加による格差拡大が社会問題化する中、労働界に大きな影響力を持つトヨタグループの労組が正社員化を促す数値目標を打ち出した意味は重い。同労連は数値目標を設定した理由について、「このままでは品質管理や技能の伝承など事業の継続的な発展を阻害しかねない」(幹部)と経営への負の影響も強調しています。
非正社員の割合30%未満に 全トヨタ労連が目標策定/朝日新聞
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
非正社員の割合30%未満に 全トヨタ労連が目標策定
2007年09月 中日新聞
連合によると、非正社員の拡大に歯止めをかけようと具体的な目標比率を掲げたのは大手製造業グループの労組で初めてといい、他産業にも波及しそうです。

傘下組合と一部経営側にはすでに正式に示しており、労使交渉を通じて、遅くとも10年までに目標を達成する方向で調整する見通しです。

全トヨタ労働組合労連などによると、生産台数の急伸を反映して、2007年5月時点の製造業系の傘下労組(約100組合)の非正社員比率は31.3%で、ほぼ半数が30%以上という。50%を超えるところも1割弱あるといいます。

非正社員の増加による格差拡大が社会問題化する中、労働界に大きな影響力を持つトヨタグループの労組が正社員化を促す数値目標を打ち出した意味は重い。同労連は数値目標を設定した理由について、「このままでは品質管理や技能の伝承など事業の継続的な発展を阻害しかねない」(幹部)と経営への負の影響も強調しています。
http://blogs.dion.ne.jp/mirainosharoushi/archives/6233374.html

 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ