『日々の映像』

2007年12月06日(木)  多重債務者問題

 1997年1月から書き始めた日々の映像で最も記述回数が多いのは、消費者金融と多重債務者問題である。首相官邸で多重債務問題対策本部がある。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/index.html

 この中で平成18年12月26日第1回多重債務者対策本部の議事録が残されている。
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/saimu/dai1/1gijisidai.html

 この中の山本国務大臣の説明資料に示されている多重債務者の人数を引用したい。

*消費者金融の利用者は、少なくとも1400万人、うち借入れ5件以上の多重債務者は約230万人である。

上記はゾッとするような数字で、これが日本社会の影の部分なのである。
2007年12月4日の読売の報道によると「金融庁は4日、5件以上の借り入れがある多重債務者数を初めて公表した。今年10月末は139万人で集計を始めた今年2月末の177万人から約40万人減った」と言うのだ。

これをもとに整理すると次の通りだ。
 平成18年12月    230万人
 平成20年 2月    177万人
 平成20年10月    139万人

 2年余りで多重債務者が91万人も減少したとする金融庁のデータを鵜呑みに出来ない。読売は「昨年12月に成立した改正貸金業法(上限を29.2%から20%以下に引き下げるという法律)の影響で貸し出し審査が厳格化したことや、自己破産申し立てなどの債務整理、過払い金返還訴訟が活発化したことが影響したとみられる」としている。

 一番問題なのは消費者金融の利用金額で2007年10月末は12兆7564億円もある。
 12兆7564億円×20%=2兆5000億円
消費者金融は、低所得者から2兆5000億円もの金利を吸い上げるのでまさに吸血鬼だ。これを許している政治をどう論評すればよいのだ。


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多重債務者、8か月で40万人減…審査の厳格化など影響
2007年12月4日23時16分 読売新聞

金融庁は4日、5件以上の借り入れがある多重債務者数を初めて公表した。
今年10月末は139万人で集計を始めた今年2月末の177万人から約40万人減った。
 昨年12月に成立した改正貸金業法の影響で貸し出し審査が厳格化したことや、自己破産申し立てなどの債務整理、過払い金返還訴訟が活発化したことが影響したとみられる。
 調査では、無担保・無保証の借り入れの総残高も合わせて調べ、2月末は13兆8119億円に上ったが、10月末は12兆7564億円に約1兆円減少した。金融庁は06年5月時点の多重債務者数を約230万人と説明してきたが、今回の基準とは異なるため比較は出来ない。政府の多重債務者対策本部と日本弁護士連合会、日本司法書士会連合会は、12月10日〜16日を「全国一斉多重債務者相談ウィーク」とし、全国各地で無料相談会を開く。自治体職員、弁護士、司法書士が債務整理などの相談に当たる。問い合わせは、県庁や弁護士会などへ。



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石田ふたみ