『日々の映像』

2007年01月24日(水) ブッシュ政権の泥沼

 ブッシュ大統領のイラク進攻は「泥沼」になると何回もここで指摘した。その泥沼ぶりを何点か記述したい。ロイター通信によると、米政府が2007会計年度(2006年10月〜07年9月)に支出するイラク戦争の経費が月平均84億ドル(約1兆円)となる見通しであることが18日、国防総省の集計で分かった。戦争を開始した03年度の同44億ドル(約5300億円)のほぼ2倍となる。国防費に40兆円を使う米国も、イラクの現政権を支えるために12兆円の投ずる意味がどこにあるのだろう。

 イラクのマリキ首相は、18日付の英紙タイムズ(電子版)とのインタビューで、ブッシュ米政権がイラク治安部隊に十分な武器を供与するのを拒否していると強い不満を示している。米政府の苦悩は深刻だ。「米政府は、イラクに供与した武器の一部がイスラム教シーア派民兵組織の手に渡っているとみられることから、大量の武器を供与することに慎重な姿勢を示している」というのだ。
現政権の大量の武器をわたすと、敵であるイスラム教シーア派民兵組織に渡ってしまうというジレンマである。これはまさに泥沼の現象である。

 ブッシュ米大統領は首都バグダッドの治安確保に向けた努力は失敗したと認めるとともに、バグダッドや西部アンバル県に米兵2万人以上を増派する新政策を発表した。同時に今年11月までに治安権限を全面移管するとの目標に向け、イラク側を支援する考えを示した。しかし、現政権の中にイスラム教シーア派と繋がる組織が混在しているので、現政権が治安の維持が出来るわけがない。ベトナム戦争よりイラクの撤退は、数十倍難しい。この難しさは米兵に死者の数で示されることだろう。アメリカはこの泥沼から何時脱出できるのだろう。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070119-00000091-jij-int
 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070119-00000012-san-int



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石田ふたみ