『日々の映像』

2004年02月04日(水) 北朝鮮:化学兵器(毒ガス)で人体実験か

 北朝鮮の現体制が続くだろうか、21世紀という時代が北朝鮮という独裁国家にどのような判決をくだすだろう。北朝鮮の生々しい毒ガス使用を伝える番組が制作された。    
 英BBCは「朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)が政治犯やその家族を毒ガスの人体実験にかけて殺害しているほか、女性や子供たちを化学兵器の実験台にしているという内容の番組を制作した」(2月1日・朝日から)という。
 この番組の報道は、北朝鮮にとってかなりのダメージになると思う。一本のドキュメンタリー番組が世界の世論を喚起して歴史を動かす導火線になるかもしれない。この番組は、北朝鮮大使館の元武官で、収容所幹部だった人物の証言などに基づいて製作された。元武官はガス室の様子をノートに描きながら「子供2人を含む一家4人がガス室で殺害されるのを見た」(1日・産経から)と証言している。
 殺害に使われたのは、吸い込むと呼吸困難になる毒ガスで、元武官は「両親は吐きながらも、死の直前まで息子と娘の口に息を吹き込んで救おうとしていた」と生々しく証言している。この100年の世界の歴史の中で、政治犯は時の権力に殺害されたことはあるが、家族をまとめて殺害したという事例は知らない。
 亡命者から次々とこのような証言が飛び出してくると、北朝鮮の現体制は厳しい国際世論にさらされることになる。詳しくは後日に送るが、最も苦しい歴史的な判断を求められるのは中国ではないかと思う。
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癒しの森166                           2004年2月4日
        
           紅茶の香りと花のいのち
 
 昨日はお世話になっている公認会計士事務所の伊藤先生と紅茶専門店で紅茶を楽しむ。普段はコーヒーで紅茶を飲む機会は話少ないが、プロの出す紅茶はさすがに美味しい。

 二人で行った店は、新潟市笹口のティー&ギャラリー「パレット」で松岡夫妻が経営している。1月27日に新潟日報で「味と香りはいれ方次第」と題して、「パレット」が大きく報道されていた。詳しくは省略するが、一杯の紅茶の出し方にも文化があるとの印象を持った。

 このギャラリーの具体的なことは、短時間だったので知る機会がなかった。ただ松岡夫妻から、ある種の文化的なものを感じた。家に帰って「パレット小話」という短文エッセイを読む。その中の「微笑む花」にこんな一節があった。「・・・気に入った花の前に三脚を立てて花に話しかけます。30分、1時間、話しかけているうちに、一瞬ですが、私に微笑んでくれると時があります。至福のときです。・・・」園芸が趣味の妻は、この瞬間が理解できるという。
  
 ・一杯の 紅茶の香りに いのちあり 微笑む花も きらめくいのち
     


                     
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メモ 亡命者らの証言要旨は次の通り(産経新聞から)
 
1、クォン・ヒョク氏(1993年当時、ロシア国境に近い北東部にある第22収容所の治安責任者。99年、北京の北朝鮮大使館勤務中に亡命)   政治犯はブタや犬のように取り扱われた。ガラスで囲まれた実験室に家族4人が入れられ、毒ガスで窒息死させられた。両親は最期まで子どもに人工呼吸して助けようとしていた。科学者らはガラス越しに観察していた。私が置かれた体制下では(子どもも)敵であり、同情や哀れみは感じなかった。
 
2、リ・スンオクさん(元朝鮮労働党員の女性収容者)収容所幹部に女性収容者50人を選ぶよう命じられ、看守から渡されたキャベツのおひたしを食べさせたところ、間もなく苦しみ始め、大量のどす黒い血を吐き、20分もたたないうちに全員死亡した。女性収容者が出産すると、新生児は母親の目の前で(口をふさがれて)殺された。

3、キム・ヨン氏(父親がスパイ罪に問われて処刑され、家族は収容所暮らし。その後、韓国に亡命)収容所では動物以下の扱いだった。手錠をかけられ天井からつり下げられたこともある。
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石田ふたみ