『日々の映像』

2003年02月05日(水) シャトル事故、大陸横断の大捜索

 スペースシャトル「コロンビア」の本体の直径は5メートル、長さは表のとおり、37.24メートル、重量は90トンもある。これだけの物体が時速2万6000キロ(秒速5.5キロ)の猛スピードで大気圏に突入して来るのだ。この摩擦熱が1500度にもなるというから想像を絶する。これだけ過酷な条件の飛行をNASAでは100回は運行出来るとしていた。そして、図のとおり1981年の初打ち上げ以来、今回が28回目の飛行であった。
 一連の報道を読むと重大の過信が事故の背景になっているように思う。「米国の研究者が94年にスペースシャトル打ち上げの際、何らかの破片が機体の翼に当たって、多数の耐熱タイルを損傷している」(5日毎日から)との報告を発表していたのだ。すでに9年前に判明していたシャトルの欠陥が改善できなかったことが今回の空中分解事故につながったとの見方が有力になって来ている。
 しかし、最終的には、どこの部分の破片がどこで見付かったなどの具体的な証拠によって分析されるのだろう。この破片の捜索がとんでもない広がりを見せている。「新たに破片が見付かった西部カリフォルニア、アリゾナから東海岸のフロリダまで、北米大陸を横断する東約4000キロの広大な地域だ」(6日 読売から)と言うから気の遠くなるような捜索である。この捜索で30の政府機関と数千人の市民ボランテアが参加している。はたして、トラブル初期に落ちた破片の回収が出来るだろうか。この空中分解の原因が不明のままでデバーなどの打ち上げは不可能だ。アメリカの威信にかけての大捜査が続く。



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石田ふたみ