『日々の映像』

2003年01月03日(金) イラク攻撃の本当の理由 

 ブッシュ大統領は、イラク、イラン、北朝鮮の三カ国を「悪の枢軸」と断じた。枢軸という意味をザウルスで確認すると「悪の活動の中心」という意味になる。いかなる悪の活動の中心なのか。それは、大量破壊兵器を隠し持っているというものだ。しかし、国連による査察団が入って、2ヶ月余りになるが、大量破壊兵器に関する決定的な証拠は出ていない。

 米国によって、ねじ伏せられるように査察を容認したイラクのフセイン大統領は、米国、イスラエルなどを「悪の軍勢」(12月25日 読売)と呼び対米批判を繰り返している。フセイン大統領は「大量破壊兵器が存在するという米国の主張はウソであり、いずれ彼らが別の目的を持っていることが明らかになる」(同)といっている。

 イラク攻撃の別の目的があるのだろうか。毎日新聞社系でエコノミストという週刊誌がある。12月10日号で、関東学院大学の奥村教授による「イラク攻撃の本当の理由、ポスト・フセインでうごめく国際石油資本」と題するリポートが掲載されていた。「英『エコノミスト』誌によると、『米国はイラク攻撃で自国の利益のみを追求している』という見解がフランス人の80%・ドイツの85%・英国人の73%を占めているという。

 更に生々しい記述は「アラブ諸国やロシア・中国はもとより、フランス・ドイツ・イタリア・そして英国さえもが、 フセイン・イラク政権打倒で強硬策を唱えるブッシュ米政権の狙いをイラクの豊富な石油・ガス資源の支配にあると見ている」(同)このリポートの理解の仕方は読者に任せるとしよう。

 イラク攻撃が現実味を帯びてくる中で米国の政治漫画「戦争中毒」の日本語版が売れ行きを伸ばしている。「米国がなぜ軍国主義から抜け出せないかを始め、実在の人物の発言で構成したノンフィクション」(1月2日 毎日)日本の翻訳に関わった関係者は「戦争を仕掛けるアメリカの病理を浮き彫りにした」(同)という。この本は、米国の反戦活動家で漫画家のジョエル・アンドレアスさんの作品(関心のある人はファックス0470・97・1215 きくち ゆみさんへ)

 ブッシュ大統領は、陸軍基地で約4000人の兵士を前に、イラク攻撃について演説している。「『君達は征服のためでなく、人々を解放するために戦うことになる。・・・我々は、平和と自由の大義のもとに行動し、勝利を収めるだろう。』と述べイラク攻撃が正義の戦いであると訴えた。」(1月4日 毎日)遠くからミサイルを打ち込み、イラク人の犠牲者の数すら気にかけない攻撃がはたして正義といわれるのだろうか。

 それにしても、前記したとおりイラク攻撃の本当の理由は何なのだろう。自国の利益のための行動なのだろうか。

 < 過去  INDEX  未来 >


石田ふたみ