やんの読書日記
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2005年07月20日(水) |
幼な子の歌 タゴール詩集 |
神戸朋子訳 日本アジア文学協会
インドの詩人タゴール 初めて聞いたのは「家なき鳥」を読んだとき 主人公の少女が持参金目当てに結婚させられ 夫はまもなく死に、せめてもの記念にと舅にもらったのが タゴールの詩集。少女が姑にこきつかわれ、捨てられる という悲惨な事件があった時でも、手放さなかった詩集。
どんな内容なのか知るまでに2年以上もかかってしまった タゴールはインドの詩聖と呼ばれる児童文学者 自身は恵まれた環境に育ってはいるが、母親が 幼いときに死んでいて、母の愛を知らない。 自分の娘も幼いときに失い、妻もなくしたタゴールの 心の叫びが著わされている。
母を想う気持ち 娘を失った悲しみを乗り越えて 幼い子へのいつくしみ、親子の幸せが ちからづよく描かれていて圧倒される。 子どもにこんなにも愛を注ぐことができる 親が今にも昔にもいるのだろうか 母を素直にいつくしむことのできる子が いるのだろうか。 どこかに忘れてきてしまった、本来の愛の形を 感じることができた。 率直で前向きなそのまなざしが 「家なき鳥の少女」をとらえたのだと思った。
「家なき鳥」という題の詩はどこにあるのだろう・・・
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