No._ _ _ _ _ _ _ _ _ Date 2003年06月20日(金) |
明日誕生日なの。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - 日記のリンク切ってたけど、そう言えば直接ブックマしてる人とかマイエンピツ(日記の機能でそう言うのがある)して下さってる人は見られましたね。あほっぽい。 あ、インデックスにも書いてあるけど、5月に通販申し込んで下さった方で、まだ本が届いてない方がいらっしゃいましたら至急ご連絡下さい!! 今日いいともでおすぎが萌えていたんです。おすぎはいつもかわいいなーと思って見てたけど、萌えるおすぎは本当にかわいかった。立派な乙女です。 そうか。クリスマスケーキは売れ残ってからが勝負か(冬コミ生まれの方から先走って届いた、微笑ましいお祝いのメールより)。なんか私が結婚焦ってるみたいじゃないですか!んもう。断じて焦ってなどいないよ、焦ってるのは自分の存在そのものにだよ!! 明日は一切の制限をつけずに仮面さまの話をしても許してもらえるかな?それともその場では許した振りして、もう二度と遊んでもらえないとかになっちゃうかな。そんなまさか。 なにもいらないから誕生日くらい思う存分仮面さまの話させて……。 数日日記落ちしますので、久し振りのチワッカを書いておきます。えろじゃなくともこの際反転で。 おれはチワッカ。 この家に来てもう数ヶ月が経った。若さを保つことに全神経を注いでいるヒステリックな家の主人にも、おれの飼い主の気紛れにも大分慣れた気がする。 「そんなことも出来ないのかチワッカ!」 そう、おれの名前はチワッカ。 多分チワワだからチワッカなのだと思う。飼い主であるイザークは忙しいらしく、この家の主人共々あまり帰って来ることはない。たまの休暇で戻って来るたびにおれのためにいろいろ買って来てくれるから、新しいおもちゃで遊びながら短い余暇を共に過ごすのが定例になっていた。 今怒鳴られたのは、与えられたばかりの明らかに口の大きさに合わないボールを、おれがうまく拾って来なかったからだ。 「せっかくこのおれがおまえのために買って来てやったんだ、嬉しいだろ?」 そう言いながら必死でボールを咥えようともがいているおれの背を、イザークがつま先で軽く蹴る。止まらない震えを抑えようと努めながら見上げたイザークは、棘のある声とは正反対の楽しそうな表情だ。 「ほらさっさと持って来い。頭の悪い犬はきらいだぞ」 剥き出しの嗜虐心が張り付いたイザークの顔。思い付く限りの罵声を浴びながら遊んでいるとき、イザークがよく見せる顔だ。この冷たい笑顔は彼によく似合っていると思う。 歯を立てる間もなくすべって落ちるボールを咥えるのをあきらめて、おれは鼻先と前足でイザークのもとにそれを運ぶことにした。わざわざおれの耳もとで文句を言うために傍に来ていたイザークは、もといた位置に戻ってふんぞり返っている。 早く運ばなければせっかくのプレゼントを取り上げられてしまうだろう。下手に機嫌を損ねたら、今日はもう遊んでもらえないかも知れない。 「なかなか考えたな。その小さい頭の中にも脳みそはちゃんと入っているのか」 思うように転がらないボールと格闘していると、久し振りに帰って来た主人を喜ばそうと機嫌を取っているのか、自分がイザークに遊んで欲しいから必死で『取って来い』をしているのかわからなくなって来た。 その疑問とは無関係に、めったにない褒め言葉におれは素直に喜んでいた。イザークの言葉に自然と尻尾が左右に動くのがわかる。 「でもなチワッカ、早くしないと日が暮れるぞ」 ほかの誰かが聞いてもそれが励ましの言葉であるとはわからないだろう。激しく振られるおれの尻尾は、今にも千切れてしまいそうだ。 多分おれが犬だから喜んでいるんじゃない。おれの飼い主がイザークで、イザークがおれを褒めたからだ。 「イーくんまだそんなことやってるの!」 無駄に広いイザークの部屋を横断して、あと1mほどで『取って来い』が果たせそうになったとき、無神経に開いたドアからエザリアが顔を覗かせた。 「チワッカにばっかり構ってないで、たまにはママと出掛けましょうよ〜」 親馬鹿特有の猫なで声だ。 このままイザークが行ってしまったらどうしよう。おれはまたひとりぼっちになる。 「うるさいババア。意味ないパックでもしてろよ」 短い視線を向けただけで、イザークは焦ってボールを運びはじめたおれにまた顔を戻してくれた。 エザリアは冷たいのねと呟いて、名残惜しそうな視線を息子に向けて去って行く。おれとの時間を優先してくれたイザークのために、おれはまた尻尾を振りながらボールを運ぶ。 器用とは言いがたい足さばきでイザークを目指しながら、言いようのない優越感がおれを満たしていた。この家では第二位のポジションなのかも知れない。そう思うとボールを転がす鼻先にも力が入る。 「よしよしよくやったぞ」 イザークの足もとまで届くのと同時に軽々と抱き上げられ、銀糸の隙間におれの顔が埋められた。 「さすがはおれの選んだ犬だ。ディアッカは賢いな」 そう、おれの本当の名前はディアッカ。 イザークの機嫌のいいときにしかそう呼んでもらえない。それでもよかった。おれはチワワだし、本当の名前を呼んでもらえるのが一番のご褒美だから。 鼻先をくすぐるイザークの髪に埋もれて、おれは服従心をイザークに示す。口もとまで届かなくてもくすぐったそうに笑ったイザークが、おれを抱く腕に力を込めた。 相変わらず寒ー。 - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - - |