イツカクルサヨナラマデ

2002年12月30日(月) VOL.8

飲み会のあと・・終電ぎりぎりの時間に駅の改札で
定期がないと愚図愚図してる彼をおいて
タクシーに乗った

携帯が鳴った
結局電車に乗らなかった彼からだった
私はタクシーを引き返し駅へ向かった

「どうしてちゃんと帰らないの」と責めた
彼は
私に参ってしまったかもしれないと言った
好きと言った
今は夢中かもと言った

昨日、買い物の途中で連絡があったら
また抱いてしまっただろうと言った

先日、車で会社へ送ってもらった時
何度も仕事へ行くな、休めと言いたかったと言う
昨日は会えずに寂しかったと言う

彼も自分の気持ちに戸惑っていた

私は私で心地よくないはずはないが
やはりどこか素直にそれを受け入れる気にはならなかった

ベッドで
彼がキスマークをつけていいかと聞いた
これでしばらく他の男には会えないよと今度は彼が笑った

綺麗好きな彼がシャワーも浴びずに私を抱いた
そのまま沈むように寝てしまった彼の顔をみながら
なんだか不思議だった

酔った勢いで始まった遊び事だったはずなのに
こんなに何度も身体を重ね
私の中に彼の存在が今、根付いたしまった事実を
どうしろというのだろう

本当はもうずっと前に私は自分の気持ちに気づいた
たしかに彼が好きだと。
気になって仕方ない
彼のやさしい声が聞けないと
薬の切れた中毒患者のように彼の姿を追った
ただし、私の心の深い所にだけの事実だった

「好きになっちゃったと言ったら困るよね?何か変わる?」と彼
「ううん、困りはしないよ。でも何も変わらない」
「そうだろうな」

彼は私の口から
「好きだ」という言葉が欲しそうだった

決して言わない
私はあなたに堕ちることを望まない

つらい思い、せつなさ、喜び。。。
すべて私の心の中にあればいい

この年末、びっくりするほどの時間を共に過ごしてしまったけれど
多分
年を越したら
私は遊びよ!という顔をまたしてしまうんだろう


 < 過去  INDEX  未来 >


ff.tt

My追加
エンピツ