イツカクルサヨナラマデ

2002年12月27日(金) VOL.7

家に帰り、お風呂にはいりくつろいでいると
携帯がなった

「今日も一緒って言ったよね」

彼の家の近くの駅で集合!と電話は切れた

急いで支度をし、電車に飛び乗った私はすでに後悔していた
乗り換え駅で悩んだ
「何やってんだろう私・・・・」帰ろうと思った
でも地下鉄が到着するとスッと乗ってしまった
彼の住む駅が近づくにつれ益々「何やってんだ私」という思いがつのった
彼からの電話「今どこ?」
彼は私が来るかどうかは半々だと踏んでいた

寒い駅で待つ間・・・
彼の住む町をながめながら複雑な思いに押しつぶされそうだった

階段を登ってやってきた彼は
コンタクトをはずし眼鏡。。帽子。。ラフな姿。。
素の彼を見たようでとまどった

彼の車の助手席であたたまっていても
お腹がすいたという彼につきあって夜中のファミレスでコーヒーを飲みながらも
話がはずむことはなかった
見てはいけない素の部分をみてしまったせい

「なんかいつもと違うね」と問われても返す言葉がみつからなかった

彼の運転は静かで
知らない街中を流れるように進む
途中、彼の住むマンションのそばを通り、7階の右から5番目の部屋だよと
教えてくれた
あの中で幸せな家庭をいとなみ、今居る素の顔で暮らしているんだ

心が痛かった
もしかしたら恋をしたのかも。。ととまどった

コンビニでビールを買いこみホテルへ
乾杯をして一気にビールを流し込んでやっと
彼の身体に触れることができた
キスを受けることができた
「やっといつもの顔にもどったね」と笑う彼

何度も愛し合い、キスをし
恋人のように楽しい時間を過ごし、一緒に眠った
キスマークをつけてと頼んだ
これでしばらく他の男とは会えないねと私は笑った

朝、私は仕事を午後出社になると電話をし
また身体をあわせた
すっかり慣れた身体は彼を喜んで受け入れ快感に溺れた

「今日はどこへ行きたい?」
昼間の彼を独占できるのは嬉しいことなのだろうか
飲んで酔っ払ってホテルで過ごす・・それだけで良かったのに

彼の帽子をかぶって
助手席でドライブを楽しみつつも、、この時間が怖かった

彼の気持ちにも変化があるのは明らかだった
とても嬉しいと思いつつ、とまどいが消えることもなかった

結局遠回りをしながら会社まで送ってくれた
なかなか降ろしてくれず、ぐるぐる回っている彼の横顔をみながら
私も彼が好きだと認めるしかなかった

車をおりて振り返った私に彼が手をふりながら寂しそうに笑った
とてもとても印象的で
ずっと忘れない光景となった

このとまどいと、止まらない思いをどうしたらいいのだろう


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