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秤
2021年05月17日(月)
遠くから汽笛が一発
帳をつんざいた
誰も乗らない列車が
ヘッドライトを煌々と
闇夜を切り裂いていく
君の住む街までは果てしない
見送るばかりで
耳の中の音だけが残る
僕はちっとも移動せずに
周囲の空気が震えている
ざわめきと沈黙
君は何を言っただろう
僕はちっとも覚えていない
僕はちっとも信じていない
君が僕の幸福を天秤にかけないで
微睡の中で
それでも僕は
君の幸福を羨んでいる
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ひとこと
熊野
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