憎悪と慕情
2010年04月12日(月) 私の嫌いな私が貴方を嫌うのです そうしていつも 私は私の扉を閉じるのです 彼岸の夜が暮れる頃 オレンジ色の花が咲きます それは夕闇の色に似て 貴方が手を振るように風に揺れます 私は手を振り返しません 始まりも終わりも見えない川の向こうに 貴方がいます いいえ 私が貴方の向こうにいるのです 血を吐くほどの苦しみがあります 涙を流すほどの悲しみがあります 流れるままに川は光を湛えます 私は貴方から目をそらしていたいだけです 知らないふりをしていたいだけです 聞こえないふりをしていたいだけです 同じ色に染まる花も空も ただただ虚しいばかりです 貴方が私を嫌っているのです そう思うのです 私はそう思うのです |