異種格闘技
2006年06月25日(日) 木々のとなりを一瞬にして通り過ぎる 残像となる濃い緑にむせかえる 水面が光を反射する 目ん玉がチカチカと光を増幅する 私がこの世界を見たとき 君はどの世界を見ている 同じ世界を見ることができたら 私たちは他人を馬鹿にせずに済んだろうか 私たちは他人を罵らずに済んだろうか 横に立つ少年の網膜には 私と同じ景色が映っているはずなのに きっと違うものを 見ている 遠い遠い国の 砂の丘も 石の家も 暗いどぶも 知らない 私たちは格闘している 血を滴らせて戦っている 同じ世界を見ていたとしても 私たちは他人を馬鹿にするだろう 私たちは他人を罵るだろう けれども 違う世界を見ているから どうしても他人を必要とする どうしても他人に寄り添おうとする 強烈なアッパーをかまそう 仕返しにバックドロップが待っていても |