+--- Cinema Memo ---+


■ 野望女と浮気男「恋は邪魔者」 2003年12月22日(月)
「心を奪われるような恋なんて、女性の人生には邪魔者。女性だって恋よりキャリアとサクセス!」――新進女流作家バーバラの書いた本『恋は邪魔者』が世界中の女性たちの間で大ブレイク。バーバラから名指しで非難を受け、モテなくなった超プレイボーイのジャーナリスト、キャッチャーはバーバラの主張が間違っていることを証明するため、彼女を絶対落としてみせる!と恋の罠を仕掛けることに…。インテリア、音楽、ファッションなどアメリカが最も輝いていた60年代初期の夢見るアイテムに彩られたラブ・ストーリー。
監督-----ペイトン・リード 出演----レニー・ゼルウィガー ユアン・マグレガー
音楽☆☆☆.5 ストーリー☆☆☆ 映像・演出☆☆☆ 俳優☆☆.5 総合評 ☆☆☆
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※ネタバレ気味です。未鑑賞の方はお気をつけて。

脚本は悪くないし、ちょっと極端だけど当時のセンスをとてもキュートに描いているロマンティック・ラブコメ。最後にはちょっとしたどんでん返しもあり…なのになぜか、見終わった後にイマイチ感が…?
ブリジット・ジョーンズの時は親近感いっぱいに好演したレニーだけれど、今回は野心に溢れ、全身を高級品で飾り立てた高慢女。それがプレイボーイの罠にかかり、まんまと鎧を脱ぎ捨てて男の望む素直な女に…??? なんだかちっとも共感が持てないのだ。あまりに最初の高慢女の印象が悪くて、最後のちょっとした種証しの後も疑問符が頭の周りをぐるぐる回る。ユアンも、素性を隠して真面目なインテリ青年を演じたり、コミカルな演技は楽しめるんだけど、やっぱり深みのない浮つき男のまま終わってしまった。

これ、かえってジュリア・ロバーツとブラッド・ピットとか、ヒュー・グラントとサンドラ・ブロックとかの配役だったら(既成作にあったように)もっとスタイリッシュな無反省ゴージャス・コメディとしてに楽しめたんじゃないかと思う。
レニーって身体はとてもキレイなのに、申し訳ないけど顔のお肉のつき方とかが垢抜けないんですね。サバサバしてるというよりはつねに「女、女」的かわいこぶりっ子演技で、革新的な意見を発表するやり手作家という設定にあまり合ってないような気がした(ま、本来のバーバラの目的にもけっこう仰け反るんですが…)。ユアンもどちらかというと、年上お姉さまタイプに可愛がられる仔犬のよーないじらしさが魅力だし(だからラスト、バーバラに自分から本気でアタックするシーンのナイーブな演技がやっぱり一番素敵だった)。

最初のタイトルやら、当時の音楽やファッション、インテリアなどは本当に素敵で、うきうきします。楽しみながらもあれこれ思いを巡らせられるような面白いテーマだっただけに、ちょっともったいないという気も。




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Written by S.A. 
映画好きへの100の質問



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